【注目モデルを実機レビュー】誕生から47年、デザインウオッチの名作“マッハ2000”の魅力を探る。

 150年以上の歴史をもち、アイコンモデルを数多く輩出しているフランスの名門リップ。今回は、フレンチデザインウオッチを象徴する名作マッハ2000の魅力を改めて紹介していく。

LIP(リップ)
マッハ2000 クロノグラフ

 創業150年以上の歴史を誇るフランスの老舗時計ブランド“LIP(リップ)”。1974年代にファーストモデルが発売された“マッハ2000”は、誕生から半世紀近い時を経て、いまも根強い支持を集めるリップの代表コレクションのひとつ。“21世紀になっても古びないデザイン”を目指して1974年に発売されたモデルであり、一見個性的なデザインだが、人間工学に基づいて着けやすさ、時間の見やすさが考慮されている。

■Ref. 670080。SS(40×42mm径×10mm厚)。日常生活防水(5気圧)。クォーツ(スイス製:RONDA5021)。5万9400円


》70年代から製造が続く巨匠ロジェ・タロン作のロングセラーモデル


 デザインを手がけたのは、20世紀のフランスを代表するインダストリアルデザイナー、ロジェ・タロン。フランスご自慢の特急列車“TGV”をデザインしたことでもよく知られており、空気抵抗を考慮した流線形の車体は、工業デザインとしての機能性を満たすと同時にそのフォルムの美しさでも評価が高い。

 1929年パリ生まれの工業デザイナー、ロジェ・タロン。フランス国鉄のアドバイザーとして特急列車TGVのデザインを手がけたほか、2011年に没するまでフランスを代表するデザイナーとしてデュポン、キャタピラなど様々な企業でデザインを手がけた。

 デュポンやキャタピラ社といった世界的な大企業のほか、家具でも功績を残したロジェ・タロンだが、彼の作品のなかで、現在われわれが最も気軽に触れることができるのが、この“マッハ2000”だ。


 ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久所蔵品コレクションにも入っているインダストリアルデザインの傑作として知られており、アシンメントリーなケースとシンプルな文字盤の組み合わせがフランスらしい洗練を生んでいる。そして、マッハシリーズで最もよく知られているのは、黄・青・赤のカラーリングを採用したリューズとボタンだろう。ポップな雰囲気だが、単なるデザインのアクセントではなく、視認性を考慮したデザインとなっている。


》 “マッハ2000”のディテールをチェック


 マッハの特徴のひとつとなっているのが非対称ケース。右側はラウンドに成形され、角をポリッシュで面取り、表面にヘアライン仕上げを施すことで金属の質感を引き出している。カラフルで個性的なリューズと、重厚感を備えたソリッドなケース、テイストの異なるディテールを絶妙なバランスで組み合わせたデザインが、ほかにはない個性を主張してくれる。


 デザインバランスを重視し、リューズ、クロノグラフのプッシュボタンをあえて同じデザインで統一しているのも特徴的。当時の空気感を感じさせるレトロフューチャーなデザインがマニア心をくすぐる。


 スクリューバックの裏ブタにはブランドロゴとともに、デザインを手がけたロジェ・タロンの手書きサインを刻印。ラバーベルトも1974年に作られたオリジナルモデルの雰囲気をしっかりと再現しており、レトロな意匠がマニア心をくすぐる。尾錠を差し込む小穴の周りを凹ませることで、蒸れやすいラバーを採用しつつ、通気性が確保されているのもポイントだ。


》個性的な見た目とは逆に視認性は良好

 サイズは40×42mmで、厚さが約10mm。個性的なデザインに注目が集まりがちだが、装飾を省いたシンプルな文字盤は視認性も良好。腕に着けた際の見やすさを考慮して、通常の時計よりも少し左に文字盤を配置しているのも大きな特徴となっている。


》リップとは

 創設は1867年。アーネスト・リップマンがフランス東部に位置するブザンソンに構えた時計工房が原点であり、その後、150年以上に及ぶ歴史のなかで、世界各国の要人に贈呈されたチャーチルや、フレンチデザインを象徴する名作マッハ2000など、数多くの傑作を生み出した。一説には1950年代後半に年産で50万本の時計を生産し、圧倒的な販売数から当時のブライトリングやブランパンが、リップとのダブルネームで販路拡大を図ったというのだから、当時の勢いがうかがえる。近年はそうした歴史へのオマージュとして、名作の復刻モデルを展開している。


【問い合わせ先】
エイチエムエス ウォッチ ストア表参道
TEL:03-6438-9321

【発売サイト タイムギア ONLINE SHOP
https://timegear-onlineshop.com


文◎船平卓馬(編集部)

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