意外と知らない時計知識

Q37.扇型のメーターは何のためにあるのか?

A.ゼンマイがどのくらい巻き上げられた状態であるのか残量を示す“パワーリザーブインジケーター”

 機械式時計のスペックでよく、約38、42、72時間持続というのを目にすることはないだろうか。
 これは機械式時計の動力源であるゼンマイが、完全に巻き上がった状態からほどけきるまでのおおよその時間を指しており、これを“パワーリザーブ”という。そのためパワーリザーブが長ければ長いほど便利だ。

 例えば日常生活に当てはめるならば、土曜日、日曜日に時計を外して過ごしていても、このパワーリザーブが50時間以上ある時計であれば、仕事が始まる月曜日の朝にわざわざゼンマイを巻かずとも時計が動き続けているためとても助かるというわけだ。
 つまり、ゼンマイの巻き上げ残量の残りがあとどれくらいあるのかのかを視覚的に表したのが、この扇型の“パワーリザーブインジケーター”なのである。
 特に手巻きのモデルは、定期的に手でゼンマイを巻き上げなければならないため、このパワーリザーブインジケーターは非常に役に立つのだ。

ゼンマイを巻くタイミングを確認できる便利な機構、パワーリザーブインジケーター。写真は最大50時間まで巻き上げが可能で、残量が約30時間ということがわかる

 

文◎松本由紀(編集部)

 

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