【実機レビュー】思わず2度見する! 60周年でリバイバルされた静電誘導腕時計“アキュトロン”

スチームパンクな見た目だが、実は環境に優しい時計なんです

 2019年に発表されて大いに話題を呼んだ“アキュトロン”を紹介したい。このアキュトロンは、金属音叉との組み合わせで高精度を引き出す世界初の音叉式電子時計として1960年に誕生した。それからちょうど60年目を迎えたことを受けて、2020年に新生アキュトロンブランドとして正式にリバイバルされたものなのである。

 今回搭載されたムーヴメントは、何と10年の研究開発期間を経て新たに誕生したもので、かつての音叉式時計ではなく、世界初の静電誘導腕時計というのが最大の特徴である。

5時と7時位置にある二つのタービンは飾りではない。これが腕の振りに連動して高速回転することで発電し、それを蓄電池に蓄えて動力源とする仕組みだ

 写真を見ると5時と7時位置にタービンのようなものが二つ設けられているのがわかるだろうか。実はこれ、デザイン的な飾りではなく、腕の振りに連動してこの二つのタービンが高速回転することで発電するというものである。それを蓄電池に蓄えて時分針を運針させる動力源とするという仕組みなのだ。機械式時計でいうと動力源となるゼンマイを巻き上げるためのローターと同じような役目を担う重要な機構である。

 つまり、このアキュトロンは、クォーツ式時計のように動力源として電池を必要とせず、機械式時計のように人の動きだけで静電誘導現象を起こし、発生した電気で時計が動く、まさに持続可能なエネルギーを使用した環境に優しい時計というわけだ。

実際に着けてみると大振りなケースだが、ラバーベルトに穴が多く、さらに柔らかいため手首の細い筆者でも着けられる。ただ、個性的で存在感もあるためファッション的には何でも合う、というわけにはいかないが、熱い視線を浴びることは間違いない

 蓄電池の電力は時分針を動かすと同時に10時位置の大きな静電誘導モーターを作動させ、それを介すことで機械式時計の秒針の動きと同じ滑らかなスイープ運針(クォーツの場合は1秒ごとにカチカチとジャンプするステップ運針)で秒針を動かす。まさに60年当時のオリジナルと同じ仕様が再現された。しかも精度は月差±5秒という高精度を叩き出すというから驚かされる。

 当時のアキュトロンも電子回路がむき出しになったような斬新な作りだったが、新生アキュトロンもそれに劣らずタービンを強調したスチームパンク的なデザインはかなり斬新。見る人に強烈なインパクトを与えることはもちろん、2度見されることは間違いないだろう。

アキュトロンの細部をさらにチェック

【静電誘導モーター】 二つのタービンで発電された蓄電池の電力は時分針を動かすと同時に10時位置のこの大きな静電誘導モーターを作動させ、それを介すことで機械式時計のような滑らかなスイープ運針で秒針を動かすと同時に、視覚的なインパクトも大きくスチームパンクのような近未来的な雰囲気を感じさせる。

【手首の細い人にも配慮か】 ケース径45.1mmとかなりの大振りケースではあるものの、セットされているラバーベルトの穴が多いため、手首の細い筆者でも手を加えずに着けられた。

【盛り上がったドーム形風防】 サファイアクリスタル風防は横からみるとかなりドーム形に盛り上がっていることがわかる。全体の近未来的な雰囲気にマッチしていい感じだ。

ACCUTRON
アキュトロン DNA
型番:2ES8A001
ケース素材:ステンレススチール(ガンメタPVD加工)
ケースサイズ:45.1mm径/ 15.41mm厚
防水性能:5気圧防水
ムーヴメント:クォーツ(静電誘導発電)
機能:時・分・秒表示
国内定価:38万5000円
協力:ブローバ相談室 TEL.0570-03-1390


菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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