Beaubleu(ボーブルー)は、2017年にニコラス・デュクダート・ファムによってフランス・パリで設立された日本未上陸の独立系ウオッチブランド。
創業者のニコラは、自動車をはじめ、高級嗜好品のデザインでキャリアを積み重ねたのち、パリ1区で有名なヴァンドーム広場にあるグランメゾンでの仕事でその名を知られるようになった。キャリアを重ねるなかで、より ストーリーのある製品を作りたいという想いが強くなったニコラスは、独自性と創造性に豊かな時計のデザインに注力し、ボーブルーをスタートさせることになる。
ボーブルーの時計はパリの中心部にあるスタジオで企画、立案、デザインを行っており、ムーヴメントやパーツに関して海外のパートナーから供給を受けつつ、時計はフランスのワークショップで職人によって組み立て、品質管理を実施している。
印象的なのがそのデザインだろう。デザインはフランスの詩人、シャルル・ボードレールの名言“美しいものはいつも奇妙である”より導かれており、ブランド名はパリの色“青”に由来し、この色がブランドのインスピレーションとなっている。
アイコンカラーとなっている“青”の色使いに加えて、同社の特徴となっているのが針やケースに採用された円形のフォルムだ。この印象的な丸い針は、天文学から古典絵画の比率まで、あらゆる空間概念の出発点であるあること、そしてガリレオの作品からインスピレーションを得たものである。
ドーフィン型やバトン型の針が一方向を示しているのに対し、ボーブルーの丸い針は一瞬を切り取っており、 運針で渦を巻き、重なり合い、永久に動き続けるグラフィックパターンを作り出している。ブランドにアイコニックな個性を与え、同時に着用者に詩的な時間の読み方を提供しているのだ。 今回はボーブルーの美しいコレクションから、3つのモデルを紹介する。
Beaubleu(ボーブルー)
ユニオン
ボーブルーのファーストコレクションであり、代表作と言えるのがユニオンだ。男性、女性を問わずに着けられるユニバーサルなコンセプトをもったコレクションであり、直線的な面と曲線的なフォルムを巧みに組み合わせたステンレススチールケースは、直径39mm、厚さ9.4mmの絶妙なサイズに仕上げられている。風防はサファイアクリスタルを採用。
繊細なサンレイ仕上げを施した文字盤にはユニークな 3本の丸い針があり、一番小さい針が時針、中くらいの分針、一番大きい針秒針で、時針と分針の先端には現在時刻を示す小さなドットが設置されている。特徴的なラウンドフォルムの針に合わせて、ベゼル、ミドルケース、インデックスなど要所に円形のデザインを取り入れており、洗練された意匠のなかにほかにはない個性を加えている。
ムーヴメントはミヨタのCal. 9015が搭載されており、7種類のカラーバリエーションをラインナップ。一部売り切れとなっているが各500本の限定生産で販売価格は740〜790ユーロ(約10万1000円〜10万9000円)だ。
Beaubleu(ボーブルー)
ウィトルウィウス・デイト
次に紹介するのはウィトルウィウス・デイト。 ブルータリズム建築にインスパイアされたソリッドで重厚感のあるデザインが特徴。
ベゼルの表面部分と連動したブラッシュ仕上げのスチール製文字盤は文字盤と段差を設けたドットインデックスが配置され、ドットインデックスと調和するように6時位置にドットデザインのデイト表示を配置。控えめながらも優れた視認性が確保されている。
サファイアクリスタル風防を備え、直径39mm、厚さ9.6mmのステンレススチールケースには、 ミヨタのCal.9015自動巻きムーヴメントを搭載。文字盤カラーは2色で各色888本のみの生産となっている。 2022年6月30日までの予約販売価格はレザーベルトモデルが740ユーロ(約10万1000円)、ステンレスブレスレットモデルが850ユーロ(約11万6000円)。
Beaubleu(ボーブルー)
ウィトルウィウスGMT
最後に紹介するウィトルウィウスGMTは、ケース裏にリューズを2つ(3時位置と9時位置)備えており、裏面9時位置のリューズで文字盤外周にある12時間表示のインナーリングを操作し、第2時間帯を設定することができるのが特徴。 アイコニックで洗練されたデザインに加え、実用性の高さも魅力と言えるだろう。
サファイアクリスタル風防を採用し、直径39mm、厚さ9.6mmのステンレススチールケースに、 ミヨタのCal. 9015自動巻きムーヴメントを搭載。文字盤カラーは2色で、各色888本のみ生産。2022年6月30日までの予約販売価格はレザーベルトモデルが880ユーロ(約12万円)、ステンレスブレスモデルが990ユーロ(約13万5000円)。
》Beaubleu(ボーブルー)
公式サイト
https://www.beaubleu-paris.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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