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スーツとの相性も良いアテッサのトリプルカレンダー ムーンフェイズを実機レビュー

 シチズンが素材として推しているスーパーチタニウムは、軽量かつ堅牢で高級さ漂う質感が持ち味だ。アテッサはそのスーパーチタニウムをフィーチャーしたブランドだが、実は今年で35周年を迎える息の長いシリーズで、シチズンがいかに古くからチタンに注力していたかがうかがえる。都会的でスマート、カジュアルシーンだけでなくビジネスシーンでも通用する理知的なデザインと高い機能性を備えたアテッサの価格は10万円前後に抑えられており、比較的手を伸ばしやすい点も魅力だ。今回はアテッサのACT Lineに新たにラインナップされたトリプルカレンダー ムーンフェイズをピックアップして紹介しよう。

シチズン アテッサ ACT Line トリプルカレンダー ムーンフェイズ
■Ref.BU0060-68E。スーパーチタニウム(42mm径、12.2mm厚、デュラテクトチタンカーバイト加工)。10気圧防水。クォーツ(光発電エコ・ドライブ、Cal.8730)。7万7000円

 まずぱっと見た印象は、若干の厚みは感じさせるものの、全体にシャープなデザインでアテッサらしいスマートさはちゃんと保たれている。42mmサイズと大きさはまずまず標準的だが、ダイアルの存在感が強いため数字以上に大きく感じさせる。ただ持ってみると拍子抜けするほど軽い。これはやはりステンレスに比べると40%も軽いスーパーチタニウムを使っているからで、やはりこの軽さは大きな魅力だ。表面に施されたデュラテクト加工によって一般的なステンレスの5倍以上の硬度を誇り、肌に優しくアレルギーになりにくいという利点もある。加工の難しいチタン素材だが、ポリッシュやエッジの処理も美しく仕上がっており、この辺はシチズンが長年蓄積してきたノウハウが生きている。

 ダイアルを見ていくと、インダイアルに段差をつけて立体感のあるデザインに仕上げているのがわかる。トリプルカレンダー ムーンフェイズということで、12時位置から時計回りに日付け、月、月齢、曜日と4つのインダイアルを配しているのだが、多層構造を駆使してすっきりまとめており、多くの情報をわかりやすく表示している。ダイアル外周部には光発電用のソーラーセルをリング状に配置しているが、これによって凹凸の効いた立体感あるダイアルを実現できたようだ。インダイアルのリングやインデックスのメタルパーツもメリハリが効いており、ブラックとシルバーのみの色使いながら、かなりハイレベルなダイアルデザインで、開発陣の尽力が垣間見える。搭載ムーヴメントはシチズンが推進している光発電のエコ・ドライブで、定期的な電池交換は不要。発電効率が抜群に高いため、室内光でも十分に駆動可能だ。トリプルカレンダームーンフェイズという機能性の高さをフルに生かせるムーヴメントと言えよう。

 前述のようにチタン製ということもあって軽量なため装着感は悪くないのだが、ブレスレットはアテッサの他の価格帯のモデルに比べると、連結ゴマの横幅が広いためか、ややガチャガチャした印象。ここはもう少しクオリティアップすれば良かったのではないかと感じた。ただ、アテッサのラインアップの多くがソニーのスマートウォッチwena 3に対応しており、バックル部分にwena 3を装着してスマートウォッチ化することもできる。wena 3はメールチェックや電子マネー、心拍数や活動ログのチェックなどさまざまな活用ができるため、実用時計としてパワフルなバージョンアップが可能だ。ぜひwena 3との併用を前提に考えたい。
 トータルで見ていくと機能性が高いうえに外装も美しく、シチズンの素材使いのうまさと高いデザイン力を生かした仕上がりだと感じる。それでいて価格も7万円台とリーズナブルなため、ビジネスパーソン向けのデイリーユースには最適だ。立体感あるルックスはビジネススーツとの相性も良さそうだし、それでいてデザインにクセがないため長く飽きずに使えるだろう。

 

【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807
https://citizen.jp

 

構成◎堀内大輔(編集部)/文◎巽 英俊/写真◎編集部

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