過去にもあったGMTマスターのレフティ(左リューズ)仕様!|ロレックス通信 No.141

 3月30日にロレックスが公表した2022年の新作モデルのラインナップに、GMTマスター II のレフティ。つまりリューズが右側ではなく左側に付いた珍しい仕様が発表されて話題を呼んだ。このモデルの詳細は別の機会にやるとして、今回はこの左リューズに着目してみたい。

 まず、リューズとは日付けや時刻を調整するためのケースサイドに出っ張っているボタンのことだ。そして右についていることがほとんどである。右利きの人が多いことから操作がしやすいのと、利き腕とは反対側の左手首に着けたときに手の甲側にリューズがくるため、手首に着けた状態のままでも操作できるように想定されているからだ。ただ実際に時計を着けたまま時刻調整するかというと、筆者の場合でもほとんどやることはないため、その意味ではどちらの手首に着けても気にならないというのが実情なんだろう。

左が今年の新作モデルとして発表されたGMTマスター II のレフティ仕様、Ref. Ref.126720 VTNR。右が既存の右リューズタイプ、Ref.126710BLNR

 ちょっと前置きが長くなってしまったが、本題はここからで、冒頭にも書いたようにGMTマスター II にレフティが登場したことから、ロレックスにはこれまでにも同様の左リューズのレフティ仕様があったのかを調べてみたのである。

 レフティについては、すでに読んでいただいた方もいるかもしれないが、実のところ当ロレックス通信No.064で「オイスター デイトにもあった! 幻のレフティー仕様」と題して取り上げている。まだ読んでない方はぜひそちらもチェックしていただければと思う。

 そして、ほかにもあるのではと海外のオークションハウスの情報を見ていたところ、オークションハウスのひとつ、フィリップスにGMTマスターのレフティを発見、それについて簡単に紹介させていただく。

世界的なオークションハウスのひとつフィリップスの2018年11月のジュネーブオークションに出品されたGMTマスター、Ref.6542の左リューズ仕様。写真◎フィリップス

 このGMTマスターは2018年11月にジュネーブオークションに出品された個体で、1959年製のRef.6542である。つまり1955年に登場し59年頃まで生産されたGMTマスターのファーストモデルと同じレファレンスである。6542のゴールドモデルは後半の2年ほどしか生産されなかったと言われていて、ステンレスモデルよりも極めて希少性が高い。しかもレフティとなると個体数はさらに限られるだろう。当時の落札額は20万スイスフラン。現在のレート132.72円で換算すると2654万4000円だが、4年前と比べると極端に相場自体が高騰してしまった現在にもし出品されたとすると、どこまで上がるのか想像もつかない。

 なお、フィリップスの資料には、過去にも同じ6542のステンレススチール製レフティ仕様が出品されたと記述にある。今回、実はほかにもデイデイトやサブマリーナーなどいくつかあることがわかった。それが別注だったのか、ごく少量だけ用意されていたのかはわからない。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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