ファッションはもちろん、時計の世界でも幅広いユーザーから支持を集めるミリタリーをルーツにもつプロダクト。モノ好きから支持を集める理由はいくつもあるが、大まかに整理すると二つのポイントを挙げることができるだろう。まず、ミリタリーならではの作りだ。
時計に関して言うならば、過酷な環境での使用を想定した堅牢な作りに加えて、過酷な環境でも時刻を確認できる視認性の高いデザインを備えていることが魅力である。あくまでも時計としての機能を追求して生み出されたデザインなのだが、その無駄のないデザインは、流行に左右されないミリタリー独特の機能美を獲得している。
また、軍用ならではの実用的なデザインに加えて、特殊なバックボーンを備えていることも見逃せないポイント。そのルーツを辿って行けば背景となる歴史が存在しており、そのデザインにもストーリーが存在している。ミリタリーをルーツにもつ時計は、デザインとヒストリーの両面で、普通の実用時計とは異なる魅力を備えているのだ。
今回、注目した“M.R.M.W(モントルロロイミリタリーウォッチ)”は、そんなミリタリーウオッチの名作をベースに、魅力的なモデルを展開する日本の時計ブランド。
1893年に創業した日本における最初期の時計メーカー、“村松時計製作所(現エムアイシー)”のオリジナル時計製作部門として発足したモントルロロイ社のオリジナルブランドであり、1943年にアメリカ海軍特殊潜水部隊で使用されたブシップウオッチなど、名作を忠実に再現した復刻モデルを展開している注目のブランドだ。ここでは、ミリタリーの名店“中田商店”とのコラボで製作されたスペシャルモデルを紹介。その魅力を探っていこう。
M.R.M.W(モントルロロイミリタリーウォッチ)
TYPE A-17ヴィンテージ パイロットウィング
1950年代に米陸軍航空隊が採用したパイロットナビゲーションウオッチ“TYPE A-17”の復刻版。12時間表示インデックスの内側に24時間表示インデックスを配置した意匠に加え、オレンジがかった茶色のインデックスで経年劣化した夜光を表現。当時の雰囲気を再現している。また、このモデルは老舗ミリタリーショップ、中田商店とのコラボレートにより、50年代の米軍陸軍航空隊-USAAFパイロットウィングストラップを忠実に復元。繊細かつ重厚な質感が目を引きつける。
■SS(35mm径/純銀製ウィングブレスレット、布製ストラップ付属)。10気圧防水。クォーツ(スイス製)。一般発売予定価格4万9610円
パイロットウィングブレスレットに加えて、ナイロン(もしくはNATO)ストラップも付属。スタイルを選ばずに付けられるナイロン(NATO)ベルトと、個性的なパイロットウィングブレスレット。付け換えを行うことで全く違ったデザインを楽しめるのは大きな魅力と言えるだろう。
》パイロットウィングブレスレットとは
米軍のパイロットが、所属部隊を表すために制服の胸や腕に着ける腕章をリメイクしたブレスレットのレプリカ。このモデルは1950年代の仕様を基に、ウィング本体部分は純銀925製、チェーンと留め金は真鍮に銀メッキ仕様で再現。硫化により、いぶし色にエイジングを楽しめるのも魅力だ。
銀は空気に含まれる硫黄(硫化水素)と結合し硫化銀という物質に変わり、最初は徐々に黄色味が強くなり、次第に茶褐色、黒へとエイジングしていく。白金色に輝くシルバーが好みの人はそのままゆっくりとエイジングを楽しみ、黒みがかってきたらシルバー磨きや身近なもので銀色に戻すことも可能。逆にヴィンテージらしい風合いを楽しみたいという人は、湿らせた漂白剤や硫黄を付けた綿棒でヴィンテージ感を出すこともできる。まさに世界でひとつだけ。自分好みのエイジングを楽しめるのが大きな魅力となっている。
》今回コラボレートした“中田商店”とは
上野アメ横、御徒町所在の老舗ミリタリーショップ。日本最初にモデルガンを製作、ベトナム戦争の終焉に沖縄にあった補給基地から熱帯被服ミリタリージェケットを10万枚買い付けたなど伝説的な逸話も多く、まさに日本のミリタリーショップの草分け的存在と言える。
》Makuake(マクアケ)で先行発売を実施
ここで紹介した最新モデルは、クラウドファンディングサイト“Makuake(マクアケ)”で先行発売を実施中(2月16日から3月30日まで)。一般発売に先駆けてお得な価格で手に入れることができるため、気になった人はチェックしてみよう。
【M.R.M.W×中田商店コラボモデル先行発売ページ】
https://www.makuake.com/project/type-a-17-pilot-watch/
【問い合わせ先】
モントルロロイ
TEL.03-6715-6015
https://montre-roroi.jp/mrmw
文◎船平卓馬(編集部)