オイスターパーペチュアルに起こった不思議な現象|【ロレックス】通信 No.114

 筆者が総編集長を務めている雑誌のひとつ、高級腕時計の専門誌「POWER Watch(パワーウオッチ)」の最新1月号(No.120)が9月30日に発売された。今回はそれを読んでいて思わず驚いたオイスターパーペチュアル(以降オイパペ)の状況について書きたい。

 高級腕時計のバイヤーズガイドであるパワーウオッチには、毎号雑誌後半のページに、並行輸入店の入荷情報ページがズラリと並ぶ。筆者はいつも刷り上がるとすぐにそのページを見て、どんなモデルがあって、並行輸入店の実勢価格相場はどんな状況なのかをチェックするのだが、今回それを見ていて一番に目に止まったのがオイパペだった。

 商品的には別に特別なモデルというわけではないため、毎号目にはしているのだが、今回の号に限ってはあるショップの情報にオイパペの36mmタイプ(Ref.126000)が6色ズラリと並んでいたことから、色の違いによる実勢価格の違いが一目瞭然だったため余計に目を引いたというわけだ。

2020年にリリースされた36mm径のオイスターパーペチュアル、Ref.126000。この6色のほかにシルバーとグリーンを加えて全8色となる。ブラック、シルバー、ブルーのスタンダードな色は人気がなく実勢価格も低い(写真:松田宝飾)

その実勢価格は以下のとおりである。
・ブラック → 88万円
・ブライトブルー → 88万円
・レッド → 119万円
・イエロー → 139万円
・キャンディピンク → 165万円
・ターコイズブルー → 181万円
(※9月30日時点での参考価格)

 驚くことにブラックとブルーという最も使い勝手がいいスタンダードな文字盤カラーが低くて、パステルカラーになるほど高い。しかも、一番人気のターコイズブルーは、ブラックやブルーの何と2倍以上だ。

 パワーウオッチ本誌に掲載した大阪のショップ“松田宝飾”に、このオイパペについて聞いたところ、発表になった2020年当初から派手めのカラー文字盤は世界的に注目されたこともあってニーズが急激に高まり、その状況がいまだに続いていて、その傾向が日本にも波及したことで異常な高騰につながっているということのようだ。

 本来であれば使用シーンが限定される派手めのカラーは敬遠され、ブラックやシルバーといった着けやすいカラーの需要が圧倒的に高いのだが、後者は現在まったく人気がないらしい。まさに異常な状況なのである。ただ、この傾向がいつまで続くのかは正直わからない。もし購入を検討するならここは冷静になって自身のライフスタイルに合わせて判断したほうがいのかもしれない。

 さて、このオイパペのカラー文字盤ブームは、実はある意外なところにも影響を与えているようだ。これについてはまた別の機会に取り上げたいと思う。

協力◎松田宝飾

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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