俳優・木下ほうか氏が語る! 最新作パートナー2への想いとは【OUTLINEのアウトライン|no.15】

 2回にわたってお届けしてきた開発裏話、最終回はこのパートナー2について木下氏はどのような想いで製作したのかを、筆者が行なったインタビューから抜粋して紹介させていただこうと思う。

 

パートナー2のこだわりについて熱く語る木下ほうか氏

―――前作はクラウドファンデイングで1400万円以上というものすごい反響でした。そのため当然ユーザーの次回作への期待値はさらに高まっていると思いますが、今作についてその製作意図をお聞かせください。

 基本的な考えは前作のパートナー1と同じで「自分自身が欲しいと思えるものを作る」というのは一貫した考えです。前回はダイバーズウオッチをモチーフとしましたが、おかげさまで高い評価をいただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 さて、今作についてですが、前作の反響が大きかっただけに、その印象が強いだろうと考えて、とにかくひと目で雰囲気が違うものを作ろうと思いました。そのため実は最初からこのタイプを作ろうと決めていたのです。前作同様に、このモチーフとなったオリジナルは多くの人が知っている往年の傑作モデルですからね。

―――開発にあたってこだわった点はどこですか?

 大きく二つあります。前作ではトロピカルと呼ばれるブラウン文字盤にこだわって作りましたが、今回、何よりもやりたかったことは通称ハニカム模様と呼ばれるギョーシェ文字盤です。これは1950年代に文字盤に採用された装飾でして、初期の一部の個体にしか見られない世界的にも希少な存在として知られています。まずはこれを再現したかった。それともうひとつは、アメリカ市場向けに作られたと言われている、同じく50年代に作られた白文字盤タイプです。

キズ見(時計用ルーペ)で文字盤を入念にチェックする木下氏

 正直なところ、ハニカム模様については僕自身これまでこの価格帯(5万円)の他社の時計で再現したものを見たことがなかったため、どのようなものが出来上がってくるのか、最初はかなり不安でした。しかし、実際に試作機を見ると、質感といい立体感といいかなり素晴らしい仕上がりとなっていてとても驚きました。とても満足しています。そのため今回買っていただいたお客様にはぜひキズ見(ルーペ)で拡大して見ていただきたいですね。非常に良くできているのがわかると思います。

 もちろんそれだけじゃないですよ。黒文字盤は3・6・9以外はくさび形でアップライトのインデックスを採用し40年代の雰囲気にしましたし、白文字盤も経年変化で若干焼けたようなアイボリーがかったものにしてもらっています。実はよく見ると色々なところにこだわっているんですよ。そういったところもぜひ見ていただきたい。

木下氏は細部ももちろんだが、1970年代当時の時計のような雰囲気にもこだわって作ったと語る

 あ、ひとつ言い忘れました。前作では防水性を重視したために実現できなかったプラスチック風防も結構こだわって作った部分です。キレイに盛り上がったドーム型を再現するために、何度もやり直しをしてもらいました(笑)。この点も古典的な雰囲気を強調する部分だと思います。

――― 確かに前作と比べてグッとアンティークウオッチのような雰囲気が強調されているように感じます

 そうですね。前作ではトロピカルダイアルなど古い時計ならではのディテールを色などでデザイン的に表現しましたが、今回は、ハニカム文字盤やプラスチックのドーム風防などの古典的な意匠を採用するだけでなく、インデックスや針の仕上げを少し荒らしたりして、色味だけでなく仕上げも経年変化したような雰囲気が出るように製作しました。

8mmというビッグリューズをあえて採用。木下氏は「このアンバランスな感じが逆に味わいになると」と語る

 アンティークっぽさという意味で言えば、今回リューズを8mmとし、秒針の先端ドットも最終試作機では1.5倍に大きくしました。結果としてこの点も大きく影響していると思います。ただ、今回36mm径と小振りなケースだったため、バランス的に合わないのではないか、という反対意見も正直なところ多くありました。

 しかし、ある意味ではこのアンバランスなところが逆に個性になって味わいになると僕は思っています。つまり僕流の遊びですね。「不恰好なところが逆に可愛い」。考えてないようで実はちゃんと考えているんですよ(笑)
(以上)

 さて、このパートナーシリーズだが、1作目であるパートナー1のセカンドバージョンと、次回作となる第3作目のパートナー3についても現在開発中だ。特にパートナー3について木下氏は「一番に作りたかったもの」と言うほどの代物。ただし、これについては色々と越えなければならない壁があるため、製品化できるかどうかは現段階ではわからないのが正直なところ。しかし、時間がかかったとしてもぜひ実現させたいものである。

アウトライン・パートナー2。Ref.YK20211-1BK(ブラック、250本限定)、Ref.YK20211-2WT(ホワイト、150本限定)。SS(36mm径)。5気圧防水。自動巻き(日本製Cal.Miyota 9039)。各5万5000円。問い合わせ:シーズ・ファクトリー TEL.03-5562-0841

 なおパートナー2だが、冒頭でも触れたように、現在クラウドファンディング「WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)」で先行受付を実施中だ。そして、おかげさまですでに600万円以上もの申し込みをいただいている。本当にありがたいことだ。もし細部を詳しく見てみたいという人は、ぜひウオッチメーカーズものぞいてみていただきたい。
WATCH Makers

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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