菊地の【ロレックス】通信 No.099|かつて3割ほど安い実勢価格で買えたデイデイトの現状

 最近はずっとスポーツモデルの話題ばかりだったため、今回は当連載99回目にして初めてとなるデイデイトを取り上げる。「なんだデイデイトか」という声も聞こえてきそうだが…。

 1956年に誕生したデイデイト、今日まで60年以上も続くロングセラーモデルである。その名前が示すように、3時位置にデイト表示と12時位置にフルスペルの曜日表示を備えている点が特徴だ。

 ただ、コレクションのすべてが18金ゴールドかプラチナという高級素材のみが使用されており、ロレックスのプレステージラインとして位置付けられている。そのため、高額な定価もさることながら、着用シーンもかなり限られてしまうため、あまり一般的なモデルではない。

現行のデイデイト40、Ref.228235A

 加えて、日本ではかねてより、イエローゴールドのギラギラ感から成金趣味などと揶揄されたこともあって、海外に比べて極端に人気が低く、並行輸入市場では定価よりも2〜3割安い実勢価格で販売されていた時代があった。では、実祭どれくらいの金額だったのかというと下記のとおりである。

<2009年当時の国内定価と実勢価格>
・ピンクゴールド(Ref.118205):定価243万6000円→新品実勢価格190万円前後
・イエローゴールド(Ref.118238):定価267万7500円→新品実勢価格190万円前後
・ホワイトゴールド(Ref.118209):定価316万5000円→新品実勢価格210万円前後
・プラチナ(Ref.118206):定価551万2500円→新品実勢価格305万円前後
(※時計専門誌「パワーウオッチ」より抜粋)

 ベーシックなものでも数百万円と高額なため2〜3割といってもその額はバカにならなかった。しかし、それでも需要がなかったということである。それが今回この記事を書くにあたって現行モデルの価格を調べたところ、いまさらながら驚いた。

 何とプレミアム価格であるばかりか、同じレファレンスでも文字盤の色によって数十万円も実勢価格に開きがある。かなり買いにくい状況になっているではないか。

 ついでに旧型のデイデイト(36mm径)とデイデイトII(41mm径)のユーズド品について、現在の実勢価格はどんな状況なのかもチェックしてみた。

右が旧型のデイデイト(36mm径)、左が旧型のデイデイトII(41mm径)である。ケースサイズは5mmも違っていた。ちなみに現行は41から40mmに変更された

 今回取り上げた旧型モデルは、2001年から2019年まで実に18年というロングセラーとなった36mmタイプのRef.118238A(写真右)と、2008年にサイズバリエーションとして新たに登場し、2015年まで製造された41mm径のデイデイトII、Ref.218238A(写真左)である。現行との最大の違いはムーヴメントで旧型のCal.3155が搭載されている点だ。

 そして結果は以下のとおり。
<デイデイト/Ref.118238A>
当時の参考定価354万2400円 → ユーズド実勢価格260〜340万円

<デイデイトII/Ref.218238A>
当時の参考定価389万8800円 → ユーズド実勢価格280〜360万円

旧型デイデイトにラインナップしていたRef.118138。カラフルなカラーダイアルが特徴的だった(写真:ロレックス

 そしてもうひとつ。旧型のデイデイトには2013年に追加された革ベルトタイプがある。当時あまり注目されなかったため知らない人も多いのでは。文字盤にいま流行りのグリーンなど、様々なカラーダイアルが特徴的で別の意味で目を引くつくり。金の塊みたいなプレジデントブレスがないだけに、ユーズドなら100万円台後半で流通する。

 流通数自体は少ないが、生産期間が短いことに加えて、高級素材のために毎日ガンガン使う人は少ないため、状態の良い個体が多いと思われる。そのためあえてこの革ベルトというのも一考なのかもしれない。なお、ブレスレット仕様のユーズドの場合は、プレジデントブレスがしっかりしているものを選びたい。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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