アンティーク時計

1本目のアンティーク時計はこれで決まり!【プロがすすめする3針モデルBEST10】(前編)

 経年によって得られる枯れた雰囲気や味わいなど多くの魅力を備えるアンティークウオッチ。
 しかしながら、現行モデルより性能面や耐久性で劣る点も多いなど、古い物がゆえの欠点があることも確かである。
 気になってはいるものの、どういったモデルを選んで良いかわからず、躊躇している人もいるのではないだろうか。

 そこで時計専門誌POWER Watch(パワーウオッチ)編集部では、ビギナーでも安心して使えるおすすめのアンティークウオッチは何か、アンティーク時計ショップへアンケート調査。ショップスタッフが最初の1本としておすすめするモデルのBEST10をランキング形式で発表する。前編となる今回は、1位〜5位までの上位5機種を一挙に紹介していこう。

アンティーク時計のプロがビギナーにおすすめする3針モデルのBEST10を選出!

》第1位
OMEGA オメガ
シーマスター

■SS(35mm径)。自動巻き(Cal.564)。1960年代製。参考価格20万円〜

⦅おすすめの理由は?⦆
 シンプルで飽きのこないデザインと実用性の高さを兼ね備えたオメガのシーマスターシリーズ。基本的に防水ケースを使用していたため、普段使いするうえで安心感が高い。
さらにロングセラーであり、デザインなどのバリエーションが多く、選択肢も豊富。流通量の多さから、アンティークが高額化している昨今においても、いまだ20万円台というリーズナブルな価格で購入できる点もおすすめの理由だ。


 ロングセラーのシーマスターは、その変遷のなかで様々なキャリバーを搭載した。総じて評価は高いため、好みのデザインで選んでも失敗は少ないが、もしムーヴメントにもこだわりたいのであれば、オメガ自動巻きの完成形と言われる550/560(560系はカレンダー表示付き)系キャリバーを搭載した個体をチョイスするといい。

 

 

》第2位
ROLEX ロレックス
オイスターデイト

■Ref.6694。SS(34mm径)。手巻き(Cal.1225)。1960年代製。参考価格20万円〜

⦅おすすめの理由は?⦆
 花形であるスポーツモデルに比べ、地味なイメージのオイスターだが、その隠れた実力を評価するプロは多く、第2位に輝いた。
 ムーヴメントの構造がよりシンプルな手巻きモデルのため耐久性も高い。現行、中古、アンティークとすべてで人気が高く、軒並み高騰しているロレックスで、20万円台から購入できる手巻きオイスターは、ビギナーでも気軽に楽しめる貴重なコレクションと言える。


 ロレックスと言えば、自動巻きの先駆者として有名だが、実は手巻きムーヴメントの評価もかなり高い。オイスターではいくつかのキャリバーが採用されているが、なかでもおすすめは1950年から製造が開始された1200系キャリバー。これはメンテナンスさえ欠かさなければ、いまなお現役で使えるほどに頑強な作りとなっている。

 

 

》第3位
OMEGA オメガ
コンステレーション

■GF(34.5mm径)。自動巻き(Cal.505)。1950年代製。参考価格50万円

⦅おすすめの理由は?⦆
 オメガが当時、最上位機種として展開したコンステレーション。シリーズすべてがクロノメーター認定を受けたモデルであったため、いまなお高い信頼性を誇る。また優れた性能を備える一方、製造数も多かったため、いまでも手に入りやすい点も特筆だ。

 

》第4位
ROLEX ロレックス
デイトジャスト(第3世代)

■Ref.1601。SS×WG(36mm径)。自動巻き(Cal.1565)。1960年代製。参考価格45万円〜

⦅おすすめの理由は?⦆
 4位に選出されたのは、いまもロレックスの定番と知られるデイトジャストの、ずばり第3世代。信頼性の高い1500系キャリバーを搭載していることや、オールステンレススチール仕様がラインナップに追加されるなど、高い実用性を備えることが、その理由に挙げられる。

 

》第5位
SEIKO セイコー
57グランドセイコー

■SS(36.5mm径)。手巻き(Cal.5722B)。1960年代製。参考価格25万円〜

⦅おすすめの理由は?⦆
 グランドセイコーのセカンドモデルである通称“57GS”は、デイト表示のほか、ネジ込み式の裏ブタが新たに採用され、実用性が向上したモデルだ。その一方で、外装の造形などはファーストモデル同様の凝ったもので高級感がある作りとなっているのがポイント。価格も20万円台からと値ごろな点もおすすめの理由だ。

文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修

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