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【WLN女子部発】アジサイをモチーフにしたCHAUMET(ショーメ)のオルタンシアに注目

 女性編集者がレディースウオッチの新作を実際に見て、感想を交えて紹介する本企画。今回はCHAUMET(ショーメ)の人気コレクション“オルタンシア エデン ウォッチ”の新色、グリーン文字盤を紹介する。

【モデル紹介】

 1950年代に登場し、以来ブランドの中心的コレクションとして人気のオルタンシア エデン ウォッチ シリーズ。小振りなベゼル部分に、日本にもゆかりの深い三つのアジサイの花が配されているのが特徴だ。

 パリ発祥の世界的ジュエリーブランドとアジサイというとイメージ的にあまり結びつかないかもしれないが、実はショーメにとってアジサイはブランドのアイコンともいえる花である。その理由は、創業当初からの顧客であったナポレオン1世の皇后ジョゼフィーヌの好きな花がアジサイであったからだ。

 ショーメとジョゼフィーヌとの関係は、まだナポレオン1世が国王になる前、乗馬していた馬の暴走を、創業者のマリ=エティエンヌ・ニトがなだめたという何とも不思議な縁により始まる。やがてナポレオンと、皇后となったジョゼフィーヌの御用達ブランドとなったショーメは、後にヨーロッパ中の王侯貴族を顧客にもつジュエラーへと発展を遂げた。

 今でもブランドにとってジョゼフィーヌの存在は特別であるようで、ブティックでは、花を飾るときには必ず白いアジサイを入れるなど、ブランドの象徴的な花として大切にされている。
 そんなアジサイをモチーフにした“オルタンシア”コレクションは、豊富なカラーバリエーションが展開され、日本でも高い人気を獲得している。

〈ケース裏面にもアジサイの花がデザインされている〉

 そして2019年に新たに加わったのが、文字盤に鮮やかなグリーンカラーを採用した本モデル。グリーンカラーは2019年に高級時計で多く発売され、トレンドとして人気を集めた色だ。
 レディース時計にもグリーンカラーを採用したモデルも多く登場しており、本作もそうした声に応えたものといえるだろう。今回は、そんな最新トレンドを取り入れたオルタンシアの新色に注目して紹介していこうと思う。

 まず目を引いたのが、やはりグリーンカラーの文字盤。光沢のあるグリーンカラーは、幾重にも薄く塗料を吹きかける“ラッカー仕上げ”が施されている。光の当たり具合で濃淡が放射状に変化する、美しい仕様だ。

 グリーンの美しい色合いを引き立てているのが、ベゼルにセッティングされた27石のダイヤモンド。ラウンドブリリアントカット加工されたこのダイヤモンドは、高度な技術をもった職人の手により加工されている。

 宝石の高い加工技術はベゼル部分にも施されている。ベゼルのダイヤモンドはすべて、“グレインセッティング”により敷き詰められている。これは石の上からツメを叩いてセットした後、ツメの先端を滑らかに加工するというもので、石を傷つけないよう繊細で高度な技術を要する技法だ。ベゼルのダイヤモンドを指でそっと触ってみると、ダイヤモンドがまるでひと続きになっているかのような、滑らかな感覚にとても驚かされた。

 またグリーンの文字盤にアクセントを加えているのが、12時位置にクローズドセッティングされたひと粒のダイヤモンドだ。時針と分針だけのシンプルな文字盤のデザインにより、グリーンとダイヤモンドの意匠がより楽しめる。

 ここまでデザインの美しさに焦点を当てて紹介してきたが、個人的に実機を見る前から気になっていたのが、リューズとラグを取り払った分、どのようにして時間調整や、ケースとベルトを繋ぐのかということ。実機を見てその理由がわかったので、紹介したい。

 まずラグについて説明していく。一般的な時計では、ベルトの先に取り付けられたバネのついたバー(以下バネ棒)をラグに取り付けることで、ケースにベルトを装着する。一方本モデルでは、バネ棒の取り付け部分をケース内に内蔵することで、ラグを取り払ったケース設計を実現していた。

 また時間調整は、ケース裏面のプッシュボタンを専用のピンで押すことで、リューズがなくとも行えるように設計されている。機能性を確保しながらも、見た目の美しさを重視したジュエラーらしいケースデザインだ。

【装着感は?】

 ラグもリューズも取り去ったデザインであり、ケースも小振りなので、時計というよりブレスレットを着けているような感覚だった。腕の細い女性や、ジュエリー感覚で時計を着けたい人にオススメだ。

※着用はブルー文字盤

 ジュエリーのような着け心地を実現しているのはミラネーゼブレスレット。吸い付くように手首になじみ、フィット感もかなり高いのが特徴だ。
 このミラネーゼブレスレットは、ギターパーツとしても取り入れられる“ブレイデッドメタルワイヤー”を平たく成型したもの。着け心地が良いだけでなく、レザーベルトよりも耐久性が良いため、長く愛用できるのもポイント。

【推しのポイント】

・上品なグリーンの文字盤

 一般的にグリーンというと、ある程度年齢を重ねた女性に似合うカラーという印象が強いだろう。しかし本モデルはビビットなグリーンではなく、上品で柔らかい色味を含んだ色合いに仕上げられている。写真よりも実際は、エメラルドグリーンに近い優しいカラーだ。日本人にも肌なじみの良い色合いで、これ1本で腕元を華やかに彩ってくれる。

 上品な色味のグリーンカラー文字盤。大人の女性にはもちろん、長く愛用できるカラーなので若い世代にもオススメだ。

Ref.W83880-001。SS(21.5mm径)。30m防水。クォーツ(Cal.ETA E01.001 H4)。59万7300円

文◎佐波優紀(編集部)

【問い合わせ先】

ショーメ
TEL:03-5635-7057
ショーメ 公式サイト
https://www.chaumet.com/jp

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