レビュー記事 ロレックス @kikuchiのいまどきの時計考

新旧エクスプローラー I を比較してみた|【ロレックス】通信 No.110

 だいぶ遅ればせながら、となってしまったが今回はロレックスの新作の中でも大きな話題を呼んだエクスプローラー I (正式名にはローマ数字の「I」は付かない)について、新旧とコンビモデルの実機を一緒に並べて見る機会を得た。そこでその感想について簡潔にまとめてみたい。

 エクスプローラーⅠのモデルチェンジは3200系の最新ムーヴメントへの移行に伴うものだが、外装面でも二つの大きな変更があった。ひとつは1953年の誕生以来、ステンレススチールタイプの1型のみで、文字盤の色違いや素材違いなどのバリエーションは一切存在しなかった。それが今回は何と18金イエローゴールドとステンレススチールのコンビモデル(ロレックスではロレゾールと呼ぶ)が新たに発表されたのである。

エクスプローラー史上において初となるコンビモデル、Ref.124273

 正直なところ実機を見るまでは「えっ、どうしたの」と思ってしまうほど否定的な考えでいたのだが、実際に実機を見るとこれがまた雰囲気としてはまったく悪くない。これはこれでありなのではないかと思ってしまうほど逆に新鮮に感じたほどだった。

 そして二つ目は2世代前まで受け継がれた本来のケースサイズとも言うべき36㎜径に戻った点である。筆者的にはある意味こっちのほうが驚きだったのだが。そこで同サイズで2009年度に生産終了した2世代前のRef.114270とを実機で比較してみた。

 余談だが、今回レファレンス番号に124270が与えられた。今回生産終了となった旧型が214270だったため数字的にはひとつ戻った感じだ。ケース径が36mmになったことから旧型ではなく同サイズだったさらにひとつ前の114270の後継として、時計の種類を表す最初の4桁“1142”を“1242”としたのだろう。ま、どうでもいいことではあるが…。

右か今年発表された新作のRef.124270。左は2009年度で生産終了となった2世代前の旧型Ref.114270

 さて上の写真を見てほしい。右が新型で左が2世代前の旧型だ。ケースサイズこそ同じだが、細かく見ていくと新型は外装面でもだいぶブラッシュアップされ、全体のフォルムといい文字盤といいメリハリの効いた感じとなった。

 なかでも特筆なのがブレスレット。これまで20mmだったエンドピースは19mmに若干絞られたため、それに伴ってブレス幅も若干細くなっている。これについて評価は別れるかもしれないが、筆者的にはヘッド部からのラインもバランス良く現代的で洗練された感じになっていると思う。

右が新型、左が2世代前の旧型である。ご覧のように新型はラグ幅が1mm小さい。ブレス幅も若干細くなり全体のサイズバランスが整った感じだ

 インデックスの3・6・9は39mmサイズだった前作から引き継いた夜光仕様となり見やすい。そのうえ文字盤はラッカー仕上げで黒がさらに深まり、若干光沢感もあってとても引き締まった印象だ。

実際に着けてみました!

新型をつけてみてエクスプローラー I はやっぱり36mm径だと、あらためて実感させられた

 筆者は現在39mm径のRef.214270(前期)を所有しているが、今回36mm径にサイズダウンされた新型を実際に着けてみて、あらためてエクスプローラーⅠは36mmが最もバランスがいいと実感した。また2世代前と比べると、インデックスと文字盤のラッカー仕上げのせいだろう、ぐっとモダンな印象を受けた。

【写真】3世代のエクスプローラー I を並べて撮ってみた!

エクスプローラー
型番:Ref.124270
ケース素材:オイスター(904L)スチール
ケースサイズ:36mm径/11mm厚(実測値)
防水性能:100m防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.3230/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約70時間)
機能:時・分・秒表示
国内定価:67万6500円
9月3日時点の実勢価格:124万円(当サイトの週間ロレックス相場より

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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