日本未上陸ブランド 話題のトピックス

【アジアの時計界を牽引する新勢力“シンガポールウオッチ”】日本未上陸の新興ブランド、ボルダー・サプライ・カンパニー(BOLDR Supply Company)に注目

 BOLDR Supply Company(ボルダー・サプライ・カンパニー)は、シンガポールを拠点とする日本未上陸のマイクロウオッチブランドだ。デイリーユースで気兼ねなく使い倒せるような手頃な価格でありつつ、タフで機能的、そしてスタイリッシュな時計を製造している。


 2015年に設立されたボルダーはトラヴィス・タン、レオン・リョン、イザ・ガニの3人でビジネスをスタートし、ほかの多くのマイクロブランドと同じくクラウドファウンディングを活用した資金調達からブランドの土台を作りあげた。現在は7人のチームで時計を製造しており、Venture(ベンチャー)、Expedition(エクスペディション)、Odyssey(オデッセー)の3つのフラッグシップコレクションを軸にしながら、多彩な腕時計をオンラインを中心にリリースしている。


 ブランドのアイデンティティは、モダンでクラシックなデザイン要素と、時計技術やタフで高品質な素材との融合で、量より質を重視し、全ての時計素材を手作業で選択している。 収益の一部を地域社会に還元しており、製品とパッケージにおいて80%サステナブルで環境に優しい素材を使用に取り組んでいるのも同社の特徴である。今回はボルダーのコレクションから、主要な3モデルをセレクトして紹介していく。


BOLDR Supply Company(ボルダー・サプライ・カンパニー)
エクスペディションI


 エクスペディションIは計測用のインナーベゼルを備え、あらゆる過酷な環境に対応する200m防水を備えたフィールドウオッチコレクション。トルクメニスタンの有名なカラカム砂漠にちなんだ“カラカム”、 ニューメキシコ州トゥラロサ盆地にあるホワイトサンズ国立公園にちなんだ“ホワイトサンズ”、アラビア砂漠の最大の部分を構成するルブアルハリ砂漠にちなんだ“ルブアリハリ”と、3つのスタイルから選択可能。各スタイル300本の限定生産でシリアルナンバーが刻印されている。 販売価格は699米ドル(約8万5000円)。


 41mmケースにセリタの自動巻きムーヴメント、SW200-1を搭載。サファイアクリスタル風防とネジ込み式リューズを備え200m防水機能を確保している。 シースルーケースバックにはボルダーのシグネチャーアートワークが施されている。


BOLDR Supply Company(ボルダー・サプライ・カンパニー)
オデッセイ45ルミキャスト


 オデッセイ45ルミキャストは、セラミックとスーパールミノバを組み合わせた特殊なルミキャストダイアルマーカー(立体的な蓄光インデックス)を採用したブ500m防水の本格ダイバーズウオッチ。太陽光や蛍光灯の光を蓄積することで夜間や暗所で強力な光を放つ。


 ヘリウムエスケープバルブ付きの45.5mmケースの素材には経年変化を楽しめるブロンズを採用しており、ネジ込み式リューズとサファイアクリスタル風防を備え、500m防水機能を確保。機械はセリタのSW200-1自動巻きムーヴメントを搭載。フッ素ゴム製ダイビングベルトが付属しており、7つのスタイルから選択可能。各スタイルは100本限定で、販売価格は649米ドル〜799米ドル(約7万9000円〜約9万7000円)。


BOLDR Supply Company(ボルダー・サプライ・カンパニー)
ベンチャーフィールドメディックIII


 最後に紹介するコレクションは、COVID-19パンデミック救援活動に触発されたフィールドメディックウオッチ。 患者の脈拍数と呼吸数を測定できる、医療に適したクロノグラフウォッチを作成するというアイデアに端を発しており、ポルトガルを拠点とするダニー・グッツィと、時計愛好家の仲間であるインドを拠点とする医師であるカラン・マダン博士によって設計された。


 文字盤外周のパルソメーターおよび呼吸スケールの組み合わせにより心拍数と呼吸数を簡単にカウント可能。1分あたりの脈拍数は、正確な読み取りを行うため30秒のカウントを使用しており、クロノグラフを起動して指定された拍数を数え、対応するマークでクロノグラフを停止し、読み取りを行う。


 ドイツで開発されたBOLDRProtectr(ウイルス、有害な微生物、および多剤耐性菌を殺菌するナノテク保護コーティング)を施したオーバル形の44mm(ラグ上下幅)のチタンケースにネジ込み式リューズ、風防はフラットサファイアクリスタルを採用し200m防水を確保。ムーヴメントはセイコーインスツル製のVK64メカクォーツクロノグラフムーブメントを搭載し、319米ドル(約3万8280円)。 時計の販売ごとに30ドルを医療救援基金に寄付されるのもこのモデルの特徴だ。


》BOLDR Supply Company(ボルダー・サプライ・カンパニー)
公式サイト
https://www.boldrsupply.co/


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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