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大丈夫ですか? サブマリーナーデイトのベゼルの汚れ!|ロレックス通信 No.142

 筆者所有のオメガのアンティークウオッチを、オーバーホール(以降OH)するべくクロノドクターの久保氏にお願いしたときのこと。ついでにいろいろと雑談をしているとロレックス・サブマリーナーのベゼルの汚れについて興味深い話しを聞いた。時期も時期なので当連載142回はそのときに聞いたベゼルのことについて書きたいと思う。

 修理技術者である久保氏は、アンティークウオッチから高年式レファレンスのものまで数多くのロレックスを手掛けているのだが、その中でサブマリーナー系は、汚れが回転ベゼルの下に溜まっていることが意外に多いと言う。

サブマリーナーデイトのRef.116610LV。現行のひとつ前の型番だ(写真◎クロノドクター)

 上の写真は現行サブマリーナーデイトのひとつ前のRef.116610LV。ロレックスの5年保証期間内ということもあってOHではなく外装メンテナンスだけの依頼だったようだが、外見上はほとんど普通に見えるものの、回転ベゼルを外したもう1枚の写真を見ると、チリやホコリが溜まって想像以上に汚れがすごい状況になっていることがわかる。

 新品で購入して4年ぐらいで、ここまでホコリが溜まっていることはさすがに希のようだが、「かつて美容師さんが仕事で着けていたサブマリーナーをOHしたことがあって、この個体と同じように、その時はホコリではなく切った髪の毛がいっぱい溜まっていたことがあった。おそらくこの所有者もかなり埃っぽいところでの使用頻度が高かったのでは」とのことだ。

ベゼルを外すとご覧のようにかなりホコリが溜まっている(写真◎クロノドクター)

 久保さん曰くには、ベゼルを外した部分のケース表面には保護のためにグリスを塗布(メンテナンスの際のメーカー必須事項)していることから、余計にホコリやチリが止まりやすくなっていることも関係しているとのこと。

 では、このまま放置しているとどうなるのかを聞いたところ。久保さんは「最近の高年式の個体は素材自体がいいのでかなり錆は出難くいと思いますが、ケースには良くないことは確かですし、衛生面から言ってもやっぱり定期的にメンテナンスに出して、洗浄したほうがいいでしょう」

 4月に入り最近は全国的に夏日になるなど気温もだいぶ上昇傾向にある。それと同時にこれからはサブマリーナーもさらに活躍する季節になる。購入後何年もOHに出しいていないという人は、ムーヴメントだけでなくこういったこともあるということも踏まえて、そろそろ一考してみてはいかがだろうか。

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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