【本格機械式にこだわる“英国”の新鋭時計ブランド】Pinion(ピニオン・ウォッチ)に注目


 Pinion(ピニオン・ウォッチ)は、2013年にイギリス中南部のサウス・オックスフォードシャーで、デザイナーのピアーズ・ベリーにより創設された日本未上陸の時計ブランドだ。


 本格的な機械式時計に強いこだわりをもっており、ETAの汎用自動巻きムーヴメントを搭載したエントリーモデルのほか、希少性の高いデッドストックの手巻き機械式ムーヴメントを採用したモデルもラインナップしており、少量生産にこだわることで、高い品質を備えつつ手の届くリアルプライスの本格機械式時計を製造しているのが最大の特徴といえるだろう。

 また、複雑さよりも明確さに重きを置いたデザインコードにより、不必要にデザインディテールを加えない、実用時計を製造することを信条としているのも同社の特徴だ。


 1970年代のデジタル革命の中で育った創業者のベリーは、SF、初期のコンピューターゲーム、デジタル時計に興味を持った青年となった。90年代に大学でグラフィックデザインを学んだ後、ロンドンでウェブサイトやデジタルメディアのエージェンシーで働き、2000年代には、ロンドンから西へ約60kmに位置する、ヘンリー・オン・テムズでデジタルエージェンシーを共同設立する。

 ビジネスを展開するなかで大手時計ブランドの広告やデジタル作品を制作したことがきっかけで機械式時計への情熱が高まり、2013年にエージェンシーを退社。独自にピニオンを立ち上げたようだ。ブランド名の“ピニオン”とは、機械式時計など様々な用途に使われる歯車の総称に由来しており、ベリーがデザインを担当し、スイスとドイツの専門メーカーがパーツなどを製造、イギリス西北部のランカシャーで時計職人によって仕上げと組み立てが行われている。 今回はピニオンから、代表作といえる3つの時計を紹介する。


Pinion(ピニオン・ウォッチ)
イラプス


 イラプスは汎用クロノグラフムーヴメントの名機、ETAのCal.7750 を搭載した、ピニオン初の自動巻きクロノグラフ。シンプルなデザインの文字盤にはブラッシュ仕上げが施され、二つのサブダイアルとスモールセコンドを備える。12時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計を配置し、9時位置のスモールセコンドとデザインを変えることで視認性を高めている。

 サイズが42mm、厚さ14.5mmののステンレススチールケースに、 ムーヴメントはETAのCal.7750を搭載。

 無反射コーティングのドーム型サファイアクリスタル風防により100m防水を備えている。 3種類から選択可能で販売価格は1708.33英ポンド(約28万1000円)。


Pinion(ピニオン・ウォッチ)
アクシス2


 2本目のアクシス 2 は、2013年に完売したファーストコレクション、アクシスを踏襲しした後継機。 アンティークのミリタリーウォッチから視覚的なヒントを得たデザインが特徴となっており、視認性が高いミリタリースタイルの意匠と高品質な作りのミックスにより、エレガントな雰囲気を備えているのが魅力的だ。

 マリーングレードのブロンズのブロックから削り出されたケースは、入荷時はピカピカに輝いているが、時間の経過とともにゆっくりエイジングが進む。 ベゼルは小ぶりで文字盤の視認性は良好。4時位置と5時位置の間にカレンダーが配置されている。

 ケースのサイズは42mmで、ブロンズのほかステンレススチールもラインナップされ、無反射コーティングのドーム型サファイアクリスタル風防を装備。100m防水機能を備えているので実用性も良好だ。ムーヴメントはETAの自動巻きムーヴメント、Cal. 2824-2を搭載。 5種類から選択可能で、販売価格はスチール製ケースバックが1625英ポンド(約26万7000円)、エキシビジョンケースバックが1708.33英ポンド(日本円で約28万1000円)。


Pinion(ピニオン・ウォッチ)
ピュア


 最後に紹介するピュアは時計デザインの本質である視認性にこだわって、シンプルな3針に回帰したモデル。 1950年代にポケットウォッチ用に開発されたUnitas 6498を搭載。手巻き時計ならではのゼンマイの巻き上げ感や、カチカチという音を楽しめる1本だ。

 42mmのステンレススチールケースに無反射コーティングを施したドーム型サファイアクリスタル風防を装備して100m防水を確保。手巻きのUnitas 6498を搭載 し、2種類から選択可能だ。価格は1625英ポンド(約26万7000円)。


》Pinion(ピニオン・ウォッチ)
公式サイト
https://www.pinionwatches.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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