A.時間を正確に守るために制定された“時の記念日”
本日6月10日は時の記念日。ということで、時の記念日に関する知識をお届けする。
そもそも時の記念日は、端的に言うと“時間を正確に守るため”に1920年(大正9年)に制定されたもの。
制定者は文部省社会局に開設された“生活改善同盟”という組織。
当時、インフレが加速していく社会情勢により効率性が下がっていた日本。そんな日常を簡素化して合理的なものにしようと推進していったのが同組織である。
そんななか文部省が当時企画していた、時に関する展覧会への出品と援助を同団体が申し出て、時の記念日という名称で宣伝を始めたのがきっかけだ。
ちなみに宣伝は、当時の東京市内で5万枚ものビラを配布したそう。
また制定日は、中大兄皇子(のちの天智天皇)が日本で最初に漏刻という水時計で時を計り、周囲に時刻を知らせたのが天智10年(西暦671年)夏四月丁卯朔辛卯(4月25日)。新暦に換算すると、6月10日となることから制定された。
漏刻の写真:明石市立天文科学館公式サイトより
<参考文献>
・織田一朗『知ってトクする 時と時計の最新常識100』(ホーム社、2000年)
・明石市立天文科学館公式サイト>時の記念日 - https://www.am12.jp/toki-kinenbi/
文◎松本由紀(編集部)
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