独立時計師の浅岡肇氏が、氏の時計を手の届く価格で提供することをコンセプトに立ち上げたサブブランド、KURONO BUNKYŌ TOKYOが2022年で設立3周年を迎える。
これを記念するモデルとして、このたび発表されたのが、印象的なグリーン文字盤を採用する“グランド:森”である。
Ref.CU011D。SS(37mm径/7mm厚)。3気圧防水。自動巻き(Cal.MIYOTA 90S5)。35万8000円(海外より発送)。5月27日(金)午後11時(日本時間)からKURONO公式ホームページ上にて12分間の限定販売
このネーミングを聞いて思い出されるのは、20年にブランド設立1周年記念モデルとして発表された“MORI:森”だろう。同じくグリーン文字盤を採用した同作は、その年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)のチャレンジ部門にノミネートされるなど高い評価を得た。それだけに“森”という共通するデザインテーマを掲げる最新作にも大きな期待が集まるというものだ。
2020年に設立1周年記念モデルとして発売されたMORI:森
最新作でグリーンの表現に用いたのは、透き漆(すきうるし)を使用。これにより、文字盤に光が当たった際、素地の“森の木々”に、日の光が差し込んだような繊細なニュアンスが表現されている。有機的な文字盤とコントラストを織りなすのは、浅岡肇氏がデザインしたアール・デコスタイルのディテールだ。時針のリーフ針と分針のモダン針は、同ブランドの“KURONO”を象徴する組み合わせである。加えて、分針と秒針の先は手作業により曲げられており、ボンベ文字盤、ボックスサファイアクリスタル風防のカーブと呼応。様々な曲線から時計に立体感を生んでいる。
この漆文字盤の美しさを実現するのは複雑な工程を伴う研磨である。まず3種類の砥石を用い、塗料の盛り上がりを平滑にする。その後、再度漆を塗りこんだ後、3種類の磨き粉を用いて綿で磨き上げる。そして最後に漆の塗りこみと人の手による研ぎを何度も繰り返すことでようやく完成する
この特別なアニバーサリーモデルは、5月27日(金)の午後11時(日本時間)からの12分間のみ、公式ホームページ上での限定販売(購入には事前にアカウント登録が必要)となる。ぜひお見逃しなく。
【問い合わせ先】KURONO BUNKYO TOKYO
https://kuronotokyo.com/
文◎堀内大輔(編集部)