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機械式時計の魅力を際立たせた手巻きスケルトンウオッチ【第2回:最新スケルトンウオッチを実機レビュー】

 機械式時計の最大の特徴であり、魅力である機械式ムーヴメント。職人が手作業で組み上げるという特別感に加え、その機能美を感じさせる造形がクォーツウオッチやデジタルウオッチとは一線を画す魅力を感じさせる。

 そんな機械式ムーヴメントの機能美と独特のメカニズムを際立たせたのが、機械式ムーヴメントのパーツに肉抜き加工を施したスケルトンウオッチだ。

 今回は、スケルトンウオッチをクローズアップした連載記事の第2弾として、手巻きムーヴメントを搭載した“ロベルト カヴァリ バイ フランク ミュラー”の新作をクローズアップ。実機レビューをお届けしていく。


【今回の実機レビューモデル】

roberto cavalli by FRANCK MULLER(ロベルト カヴァリ バイ フランク ミュラー)
RV1G060M0071


■Material:ステンレススチール&ブレス
■Size:45mm、ラグの上下約46.5mm、厚さ9mm、ラグ幅25mm
■Waterproof:10気圧防水
■Movement:自動巻き(スイス製)
■Price:38万5000円


【ロベルト カヴァリ バイ フランク ミュラーのブランド紹介】

 イタリアを代表するファッションデザイナー、ロベルト・カヴァリ氏のシグネチャーブランドである “ロベルト・カヴァリ”と、スイスの高級時計メゾン “フランク ミュラー”の共同ブランディングから誕生した注目ブランド。

 今回の紹介するのは今季の新作としてリリースされたスケルトンコレクションのひとつ。現行のメンズウオッチでは意外に数が少ない手巻きムーヴメントを採用しており、スケルトン加工と伝統的な装飾を組み合わせることで、メカニカルな造形と工芸品的な美観をクローズアップ。モダンな外装とクラシックなスケルトンムーヴメントのコンビネーションが、手首で存在感を主張してくれる。


【外装について】


 デザインのベースになっているのは近年、時計界でトレンドのひとつとなっているラグジュアリースポーツウオッチ風のデザイン。ネジ留めされた重厚なベゼル、エッジを立たせた六角形のケース、ケースとエンドピースでシームレスに連動したソリッドなブレスレットと、金属の重厚な質感を際立たせた仕上げと意匠が魅力的だ。


 ベゼルは六角形の六つの角にネジを配置し、その間に凹みを付けてアクセントを食わせた立体的な造形に仕上げられており、ケースサイド、ケースの前面にも同様の凹みデザインが採用されている。


 凹み部分は梨地のような質感、ケースやブレスレット の表面はヘアライン、ケースサイドは鏡面と、仕上げを変えることで光の当たり方や見る角度によって豊かな表情を生み出している。


【文字盤のデザインについて】


 このモデルの最大のアイコンデザインとなっているのが、ムーヴメントを大胆にクローズアップしたスケルトン文字盤だ。地板、受け板、歯車、香箱まで、緻密なスケルトン加工が施されており、ペルラージュ装飾(旋盤で円の模様を規則的に施す技法)を施すことで手巻きムーヴメントの造形に、工芸品的な美観をプラスしている。外周に目盛りとアプライドインデックスを配したアワーリング設置することで、しっかりと視認性が確保されている点も好印象である。


 正面に加えて裏面にもスケルトン加工を施しており、シースルーバックからもスケルトン加工を施した手巻きムーヴメントを鑑賞することができる。地板を肉抜きしたことでパーツの造形を際立たせており、ムーヴメントの造形と動きを細部まで楽しむことができる。


【バックルについて】


 ブレスレットは横長の中コマを両サイドから縦長のコマで挟み込んだ仕様。ケースの表面とトーンを合わせてヘアライン仕上げをベースに仕上げられており、規則的な筋目仕上げがシャープでソリッドな質感を際立たせている。それぞれのコマは上下に面取りが施されており、面取り部分のみ鏡面仕上げを採用。光の当たり方や角度によって鏡面部分が光を反射させ、時計のデザインに高級感と立体感を加えている。

 バックルはプッシュ式の両開き仕様。二重ロック式に比べると堅牢性はやや劣るが、バックルを閉じた際にすっきりとした印象となる。バックルが悪目立ちしないため、ケースからブレスレットまで、統一感のあるデザインに仕上げられているのも魅力と言えるだろう。


【問い合わせ先】
ミスズ
TEL.03-3247-5585
http://www.watch-world.jp


 

文◎堀内大輔(編集部)

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