【フィリピン発のセクターダイアルウオッチ】注目ブランド、“マキナ(MAKINA)”から独創的な新作モデルが登場

 2010年頃から海外の時計市場で増加を見せている独立系のマイクロブランド。そのトレンドは、ヨーロッパ、アメリカからアジア圏にも波及している。これまでもアジア発の時計ブランドはいくつもあったため、何を今更と思うかもしれないが、ここ数年の傾向を見ると、これまでとは少々異なる動きを見出すことができる。

 注目すべきなのは新興ブランドの創設が活発化している地域の変化である。これまで、アジアの時計市場において、製造と販売の両面で存在感を示していたのは日本、中国など東アジアの経済大国あった。しかし、近年のマイクロブランドの創設については、シンガポール、マレーシア、インドネシアなど、経済発展を見せている東南アジアの新興国が市場を牽引。時計に対する情熱をもったオーナーが、オリジナリティと品質にこだわって時計を製造しているという点も、これまでにない特徴と言えるだろう。

 そんな次世代のアジアンウオッチのなかで、筆者が動向に注目しているブランドのひとつが、フィリピンの日本未上陸のブランド、MAKINA(マキナ)だ。


 幼い頃から時計に興味を持ち、10代の頃には時計のコレクションを始めたという愛好家ダニーロ・ヴィラヌエバが2016年に立ち上げた家族経営の時計ブランドなのだが、ケース、リューズ、文字盤、針からベルトまで、時計に使用される主なパーツは、ゼロから独自に設計、製造したものを採用。

 本拠地であるフィリピンのマニラに加えて、香港でも時計の製造を行なっているが、企画立案、デザイン、組み立て、品質管理は、主にフィリピンで行うことで、手頃な価格ながら品質の高い時計を生み出している。今回は、そんなマキナからリリースされた最新コレクションを紹介していく。


》編集部の注目モデル
MAKINA(マキナ)
ガブリエル1

 アンティークウオッチからの影響を感じさせるセクターの文字盤と立体的な造形に仕上げた八角形のケースが目を引く最新モデル。ケースのフォルムは近年のトレンドであるラグスポ系の雰囲気も感じさせるが、ストラップを接続しているケースの上部と下部にワイヤーラグを採用。セクターダイアルとワイヤーラグでクラシックなテイストを取り入れたことで、独創的なデザインに仕上げらえている。予約注文価格は600米ドル。2022年の4月頃から納品が開始される予定となっている。

■SS(40mm径)。10気圧防水。自動巻き(セリタSW260-1)。600米ドル(約6万9000円)


》1930年代に流行したセクターダイアルをアレンジ


このモデルでまず目を引くのが、セクターダイアルと呼ばれる文字盤デザインだろう。1930年代にアールデコの影響を受けて誕生したとされる円周と放射状のラインによるモダンなスタイルだが、誕生から約90年を経た現在は、どちらかというとクラシックな雰囲気をもったデザインとして認識されることも多い。


 セクターダイアルの意匠を際立たせるために数字のインデックスを排除しており、外周にマットシルバーのミニッツトラック、内側に同心円のヘアライン仕上げを施したアワーリング(アワーマーカーは文字盤とわずかに高低差を付けたエンボス加工)、中央は外周と同じくマットシルバーに仕上げて、アワーリングとのコントラストを際立たせている。個人的にはブルーメッキで仕上げた針のフォルムと質感がカジュアル過ぎるような印象だが、文字盤の質感は600米ドルとは思えない上質感を備えているようだ。


》マキナのアイコンである変形オクタゴンケース


 セクターダイアルに加えて、もうひとつのアイコンデザインとなっているのが、ケースの上下と左右を大胆にカットした変形オクタゴンケース。

 わずかに傾斜を付けた厚みのあるベゼル、ケースともに鏡面仕上げで統一されており、ドレス感を高める効果に加え、ヘアライン仕上げのアワーリングを備えた文字盤とのメリハリを意識したデザインと言えるだろう。変形オクタゴンケースのユニークなフォルムと古典的なワイヤーラグのコンビネーションも、ほかにはない魅力を感じさせる。


》カジュアルなアレンジを加えたシースルーバック


 裏ブタは時分針とカラーを合わせたブルーのシースルーバック。マキナのロゴを中央にデザインしたブルーのガラスが遊び心とカジュアル感をプラスしている。


》単体での印象と装着時の印象の違いも魅力的


 ケースのサイズが40mmで、ラグからラグまでの上下幅は46mm。ベゼルのサイズに合わせてケースの上下がばっさりとカットされ、そこから手首に向けて傾斜を付けてワイヤーラグが設置されているデザインのため、見た目よりもコンパクトに仕上げられているようだ。写真を見る限りでは、装着時のバランスも良さそうだ。


》MAKINA(マキナ)
公式サイト
https://www.makinawatches.com/


文◎船平卓馬(編集部)

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