Aevig(エイヴィグ)は2013年にチップ・ユアンによって設立されたオランダに拠点を置く日本未上陸のウオッチブランド。ブランド名の“エイヴィグ”とは古代のスカンジナビアの言葉で“永遠”を意味し、“時間”は永遠であることからブランド名に採用したとのことだ。
創設者であり、チーフデザイナーでもあるユアンは腕時計のコレクターというバックグランドがあり、主に1950年代から70年代に製造されていたアンティークのツールウオッチにこだわって時計を収集しているそうだ。実は、時計を製造するまでにアート、デザイン、映画製作など多種多様なバックグラウンドを持つユアンは、そうした多様なカルチャーからもインスピレーションを受けながら、ユニークでモダンなグラフィックスタイルの時計を作り上げている。
今回は部品をパーツから設計、製造することでオリジナリティを感じる時計を展開するエイヴィグのコレクションから、代表作と言える2つのモデルを紹介する。
Aevig(エイヴィグ)
フルドラ
フルドラは“Huldra(覆われた、秘密)”を意味しており、ドイツのローレライに類似している、スカンジナビア地方で語られる森と水の精のこと。1960年代から70年代に製造されたアンティークのダイバーズウオッチにインスパイアされたデザインが特徴となっており、ユアンはこの時計をデザインする際に、“過去20年、未来の20年後にフィットするような時計”を目指したという。
ダイバーズウオッチの王道スタイルを踏襲しつつ、インデックスがブランドロゴのヘキサゴン、3、6、9時のインデックスはトライアングルと個性的な意匠に仕上げられており、ステンレススチールのジュビリーブレスレットがスポーティなスタイルにアンティーク感を加えている。
厚さ12.5mmの42mmステンレススチールケースを採用。 ムーヴメントはカレンダー付のモデルがMiyota 製のCal.9015、カレンダーの無いモデルがMiyota製のCal. 9055を搭載。ねじ込み式リューズとドーム型サファイアクリスタルを装備し、20気圧防水と実用性は高い。 5色のダイアルカラーとカレンダー機能の有無も選択が可能、販売価格は付加価値税込みで 650ユーロ(約8万4000円)。
Aevig(エイヴィグ)
スーリーGMT
次に紹介する時計はスーリーGMT。GMT機能を搭載したチタン製スポーツウオッチで、 名前のスーリーとは古代ギリシャでローマ人が最北端にあると信じていた地名を意味する。
デザインインスピレーションは、フラットスクリーンやワイドスクリーンのテレビが登場する以前、1970年代のクッション型(四角い楕円形)のテレビ。 このレトロなテレビダイアルのスタイルを取り入れつつ、エッジの効いた近未来的なケースを組み合わせることで独創的なデザインの時計を作り出している。
39mmチタンケース、厚さ11.5mm。深い角度のチャプターを持つケースのフォルムに加えて、フュメサンバースト加工の文字盤が瞬時に人の目を引きつける。ブレスレットはカスタムHリンクで中央のリンクがテレビケースのデザインとシンクロしており、これもチタニウムで作られている。
ムーヴメントはスイス製のセリタ社製の自動巻きムーブメント、Cal.SW330-2を搭載。文字盤カラーは2色から、ケース仕上げはサテンブラッシュとマットビーズブラストから選択が可能だ。販売価格は付加価値税込みで 1149ユーロ(約14万8000円)。2022年1月末現在、ウェブサイトで特別価格、付加価値税込みで 919ユーロ(約11万8000円)で予約販売2021年10月から行っており、納期は約4~6カ月を予定しているそうだ。
名作映画に登場した10本の時計でポスターをデザイン
前述したように、アート、デザイン、映画製作など多様なカルチャーに造詣の深いユアン。公式サイトには、『エイリアン』『ゴーストバスターズ』『ゴールドフィンガー』『アポカリプス・ナウ』などの名作映画に登場した10本の象徴的な時計をイラスト化してデザインしたオリジナルのポスターが公開されている。こちらはPDFで無料でダウンロードすることが可能だ。
》Aevig(エイヴィグ)
公式サイト
https://aevig.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/