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【ラグスポ系を実機レビュー】10万円以下で選ぶ、ラグジュアリースポーツ系ウオッチの狙い目モデル3選

 近年、時計界のトレンドとして注目を集めているラグジュアリースポーツ(“ラグスポ”の通称でも知られている)。その言葉が示すように高級スポーツウオッチを形容する時計ジャンルとして知られている。

 ご存知のとおり、本来、“ラグジュアリースポーツウオッチ”とは、実用時計の素材であるステンレススチールを外装に採用しながら、細部の丁寧な仕上げによって貴金属を使用した高級時計に匹敵する付加価値を備えたモデルを指す(1972年の発表当時のロイヤルオークの価格は金無垢仕様よりも高額だったという)。

ラグジュアリースポーツの原点とされるのが、1972年に生まれたオーデマ ピゲのロイヤルオーク。写真は当時のオリジナルモデルなのだが、その革新的なデザインと外装の質感に驚かされる。デザインを手がけたのは、時計デザイナーのジェラルド・ジェンタで、ドレスウオッチのように薄型でありながら、ベゼルやケース、文字盤に立体感を盛り込んでスポーツウオッチのような力強さを与え、新しい時計のスタイルを打ち出した。半世紀を経た現在もフォロワーモデルが次々と発表されていることからも、その影響の大きさが実感できる。

 そのため、従来のラグジュアリースポーツモデルは100万円オーバーの高額モデルが一般的だったのだが、近年、この“ラグスポ”というジャンルに面白い動きが見られるようになった。

 10万円台から30万円台で購入できる比較的手頃な価格の時計ブランドから、ケースとブレスレットが一体化したようなフォルム、ソリッドで重厚なベゼルなど、ロイヤルオークに象徴される“ラグジュアリースポーツウオッチ”独特のデザインコードを取り入れたモデルが、相次いでリリースされているのだ。

 こうしたモデルは、基本的に外装の仕上げ自体は価格に応じたクオリティであるため、厳密な定義での“ラグジュアリースポーツウオッチ”ではない。言わば “ラグスポ風”や“ラグスポテイスト”と呼ぶべきモデルなのだが、市場に流通しているモデルを掘り起こしていくと、時計好きも思わず欲しくなる魅力的なモデルを見つけ出すことができる。

 注目したいのはデザインだ。やはり、いちばんの魅力は手軽に“ラグスポ”の雰囲気を楽しめるという点なのだが、“ラグスポ風”や“ラグスポテイスト”のモデルのデザインは、 “ラグスポ”のデザインコードを踏まえつつ、その範疇から外れないように苦心して独自のエッセンスを加えているのが特徴。玉石混交なのも確かだが、デザイン性に優れた魅力的なモデルを手に入れることも可能なのだ。

 今回は、そんなラグスポ系モデルのなかから、10万円以下の価格で手に入る狙い目モデルを独自にセレクトしてみた。

 なお、ここで紹介した3つの“ラグスポ系”モデルは、ウオッチライフニュースの兄弟誌であるTIMEGear(タイムギア)の公式YouTubeチャンネルで、実機レビュー動画も公開される。

第1回目:1月28日(金)配信、イエマ(リストマスター トラベラー)
第2回目:2月4日(金)配信、ティソ (PRXオートマティック)
第3回目:2月11日(金)配信、ロータリー(リージェント)

 上記のスケジュールで順次配信されるため、3モデルのディテールを動画で確認したいという人はチェックしてみて欲しい。

【タイムギア公式YouTubeチャンネル】


【実機レビューモデル:No.1】
イエマ(YEMA)
リストマスター トラベラー

 1948年にフランスで創設された時計ブランド。近年は過去の名作を再現した復刻コレクションを中心にモデルを展開し、目の肥えた時計好きからもコアな支持を集めている。このモデルは1960年代に製造されていた“リストマスター”の復刻プロジェクトで、イエマのCEO兼デザイン責任者であるクリストファー・ボール氏が製作したモデル。オーデマ ピゲのロイヤルオークを彷彿とさせる八角形のフォルムを採用しているが、あえてフォルムを左右非対称にすることで個性をプラスしたケース、スーパールミノバを13層も重ねた夜光インデックスなど、随所にユニークな意匠と造り込みが盛り込まれているのが魅力的だ。機械については、4つのポジションで調整しており日差+/- 10秒、パワーリザーブは42時間を確保したインハウスムーヴメント、YEMA2000を搭載している。


■Material.:316Lステンレススチール&ブレス(サファイアクリスタル風防)
■Size:39mm、ラグの上下約43.5mm、厚さ12mm、ラグ幅24mm、重量157g
■Waterproof:10気圧防水
■Movement:自動巻き(自社製Cal.YEMA2000)
■Price:9万9000円

【問い合わせ先】
イエマジャパン
TEL:03-5875-8810
販売サイト
https://timegear-onlineshop.com


【実機レビューモデル:No.2】
ティソ(TISSOT)
ティソ PRX オートマティック

 1978年のオリジナルモデルをアッデートして蘇らせた現代版PRX。“PR”とは“Precise and Robust(高精度かつ堅牢)”の頭文字で、これに続く“X”は10気圧防水を意味する。10.93mm厚の薄型ながら、エッジを際立たせた直線的で薄型のフォルムがシャープで現代的な印象を醸し出す。凸部分だけ鏡面にして、ほかをヘアラインに仕上げており、エッジを立たせてソリッド感を強調したケースフォルムは、そのモデル名にふさわしい力強さとスタイリッシュさを兼ね備える。ムーヴメントは、80時間パワーリザーブを備えるPOWERMATIC 80を搭載。クオリティを考えれば8万円台という価格はかなり満足度が高い。


■Material.:316Lステンレススチール&ブレス(サファイアクリスタル風防)
■Size:40mm、ラグの上下約39.5mm、厚さ10.93mm、重量138g
■Waterproof:10気圧防水
■Movement:自動巻き(POWERMATIC 80)
■Price:8万2500円

【問い合わせ先】
ティソ
TEL.03-6427-0366
https://www.tissotwatches.com/ja-jp/


【実機レビューモデル:No.3】
ロータリー(ROTARY)
リージェント

 創業125周年を迎えたロータリーが、19世紀初頭に完成したロンドン中心部にある“リージェント・ストリート”をイメージして製作した渾身のブレスウオッチ。ケースとブレスが一体化したシームレスなフォルムは、王道的なラグスポスタイルを踏襲するが、直線と曲線で構成された特徴的なベゼルを与え、個性をプラスした1本だ。前面にヘアライン仕上げを施し、スポーティブな印象を強調しつつ、ベゼルの傾斜部分などをポリッシュ仕上げすることで、立体感をプラスしている。ムーヴメントはMIYOTA製のCal.821Aを搭載。裏ブタはネジ込み式を採用。日常使いしやすい10気圧の防水性を確保しているのはポイントが高い。


■Material.:316Lステンレススチール&ブレス(サファイアクリスタル風防)
■Size:40mm、ラグの上下約39.5mm(約45mm)、厚さ11.65mm、ラグ幅24mm、重量約160g
■Waterproof:10気圧防水
■Movement:自動巻き(MIYOTA821A)
■Price:6万8200円

【問い合わせ先】
イクスピアリ
TEL.047-305-2551
https://www.rotarywatches.jp


 

文◎船平卓馬(編集部)

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