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【価格破壊ウオッチを実機レビュー】10万円台でメテオライト文字盤、RENAUTUS(ルノータス)の限定モデルに注目

 近年、製造機器の進歩やサプライヤー増加などにより、従来は高級時計で使用される素材や技術を採用しつつ、10万円台から20万円台の手の届く価格帯で時計を展開する時計ブランドが数を増やしている。

 今回は、そんな“価格破壊モデル”に焦点を当てて、編集部が注目するモデルを実機レビューしてみた。なお、今回記事で取り上げた、RENAUTUS(ルノータス)のA904 メテオライト・リミテッド シルバーダイアルは、ウオッチライフニュースの兄弟メディア(?)と言える、TIMEGear(タイムギア)の公式YouTubeチャンネルでも、1月14日(金)に実機レビュー動画を配信が開始される。ぜひ、そちらもチェックしていただきたい。

【タイムギア公式YouTubeチャンネル】


【今回の実機レビューモデルはコチラ】


RENAUTUS(ルノータス)
A904 メテオライト・リミテッド シルバーダイアル

■Material:904Lステンレススチール&ブレス(無反射加工サファイアガラス)
■Size:42mm、ラグの上下約40mm、厚さ11.5mm、ベルト幅22mm、重量157g
■Waterproof:10気圧防水
■Movement:自動巻き(Cal.ETA2834-2)
■Price:14万8000円(5本限定)


【RENAUTAS(ルノータス)のブランド紹介】
 時計ケースのOEM製造なども担ってきた金属加工メーカーが手がける、日本発のカスタムウオッチブランド。公式サイト上で、ケース、針、文字盤などのパーツを自分好みの時計にカスタマイズし、気に入ったらそのままオンラインで注文するというカスタマイズならではの面白さに加え、注文から最短3営業日で到着というスピーディーさも好評を博している


 今回の紹介する“A904”は、そんなルノータスのコレクションのなかでも、時計好きから突出した人気を誇る“904Lスチール”を外装に用いた高品質なブレスウオッチ。昨今のトレンドを押さえたラグジュアリースポーツ風のシームレスなデザインを採用し、素材の特性を最大限生かしたソリッドで重厚なデザインが大きな魅力となっている。


【外装について】

ステンレススチールの種類は3種類。単価や加工コストの違いから、低コストなカジュアルウオッチなどに採用されることが多い“304”、高級腕時計に採用される “316L”、ロレックスなど一部に高級時計に採用される“904”に大まかに分けることができる。


 “A904”は、ケース、ブレスレット など外装パーツの素材に “904Lスチール”が採用されており、腐食、さび、酸に対して優れた耐性を確保しているのが大きな魅力。さらに “904Lスチール”は耐食性に加えて過酷な状況に耐えうる高い硬度を有しており、経年耐性にも優れ、磨くほどに外観的にも極めて美しい光沢を保つことができる。


 優れた特性を備える反面で、硬く、加工が難しいために製造コストが高くなってしまうのも“904Lスチール”の特徴だが、ルノータスでは、金属加工メーカーとして培った優れた技術を発揮し、10万円台という手の届く価格帯を実現。ブレスレットの中央のコマなど、細部には若干仕上げの粗さも感じる部分もあるが、ブレスレットなどのエッジもあえて立たせすぎず、心地よい肌触りを追求しており、価格以上の満足度と質感を備えたモデルであることは間違いない。


【メテオライト(隕石)文字盤について】

 “A904”はモデル名が示すように“904Lスチール”を外装パーツに採用しているのがコレクションの特徴なのだが、今回の限定モデルには、もうひとつ特殊な素材が採用されている。それがメテオライト(隕石)だ。


 10万円台の手の届く価格ながら、約100万年前にスウェーデン最北端のキルナ地方に落下したとされるムオニナルスタ隕石を文字盤に採用。ムオニナルスタ隕石をわずか0.4mmの厚みにカットして文字盤に採用したという神秘的なバックグラウンドはもちろん、直線がランダムで網目状に入った”ウィドマンシュテッテン構造“と呼ばれる特有の模様が目を引きつける。ひとつとして同じモノはなく、すべてが一点モノというのも、所有欲をくすぐるポイントと言えるだろう。


【ムーヴメントについて】


 ムーヴメントについては、ETA社の定番機であるCal.2824-2を搭載。毎時2万8800振動の自動巻きで、38時間パワーリザーブを備える汎用機だが、ゴールドプレーティング加工を施した自社製のローターを採用するなど、細部に手を加えることで、特別感のある仕上がりとなっている。


【装着感について】


 ケースとブレスレットを一体化させたシームレスなデザインと、42mmのサイズ感から、一見大きなサイズに思えるが、実際に手首に載せてみると装着感は良好。ラグの上下が約40mm、厚さ11.5mmということもあり、時計単体で見たときよりも、手首に装着した際のほうがバランスが良好な印象だ。ヘアラインをベースにしたソリッドなケース、鏡面仕上げのベゼル、メテオライト文字盤と、素材の質感を生かしてメリハリを利かせたデザインが、手首で存在感を主張してくれる。


【総評】
 時計ケースのOEM製造なども担ってきた金属加工メーカーだからこそ品質にもこだわりつつ実現できた手頃な価格。ラグスポをベースにしたデザインとのバランスを考えると、二重ロック式のバックルが大きく重い印象を感じさせるのがやや残念なポイントだが、“904Lスチール”を採用し、ETA社製ムーヴメントを搭載した機械式時計で、10万円台の前半というのは魅力的。コストパフォーマンスに優れたモデルであることは間違いないだろう。


【問い合わせ先】
ルノータス TEL.0743-83-0477
https://renautus.com/

 

文◎船平卓馬(編集部)

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