【知っておきたい腕時計の基本】現行の時計よりアンティークのほうが作りが良いと言わているのはなぜか?

 “現行の時計よりアンティークのほうが作りが良い”とよく言われるが、その理由はなぜか。今回はこの点について解説していきたい。まず前提として、どちらもある程度の“高級時計”に関してである。当然、アンティークのなかにも普及機はあり、作りが簡素な時計はあるからだ。

 

 さて、アンティークウオッチの多くはテンプの振動数が低いロービートである。ロービート機の難点はムーヴメントの作りと調整の腕が良くなければ、精度が出にくいということだ。クォーツ時計もない当時、時計にとって精度の良し悪しは非常に重要なポイントであったのだ。ゆえに当時のメーカーはムーヴメントの作りを良くし、熟練の時計師が調整を行うことで高精度を実現しようとした。この点がズバリ、作りが良いといわれるゆえんだ。


 写真はロンジンが1936年から製造していたクロノグラフムーヴメントのCal.13ZNのパーツだが、歯車の一つひとつにしっかりと磨きがかけられていたり、レバー類は角をキレイに落としてあったりと、細部まで手が込んでいることがわかる。
 いまほど精度の良い部品加工機械が発達していなかった当時は、こうした小さなパーツのほとんどは人の手によって丁寧に作り上げられており、それによって加工精度を上げていたのである。そうなると当然数は作れないし、その手間のぶん費用は時計の価格に跳ね返ってくるのだが、1950年代までスイスの人件費はそれほど高くなかった。それが良いものを安く作れた理由だ。
 対して、現在は部品加工機械が発達し、パーツの製作も機械に依る割合は大きくなっている。手作業の割合が大きかったアンティークンのほうが作りが良いと言われるのは、このあたりの理由からだ。

外装の作りも然りで、針なども熟練の職人が一つひとつ仕上げていた

 知らない人から見れば、単なる古くさい時計にしか見えないかもしれないアンティークウオッチ。見た目は確かに歴史を感じさせるものだが、実は現行の時計よりも丁寧に作られているものが少なくないのである。

 

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