@kikuchiのいまどきの時計考

Cal.9000系で4万円台。ネイビー文字盤で涼しげに装う!【OUTLINEのアウトライン|no.7】 

 関東も例年より早く梅雨が明けた。みなさんのところはいかがだろうか。ただ開けたはいいが、これから毎日うだるような暑さが続くと思うと、それはそれで何となく先が思いやられるところもあるが…。

 さて、「OUTLINEのアウトライン」と題して筆者が手がける時計ブランド「アウトライン」の魅力を紹介しようと意気込んで始めた当連載、4月17日の第6回を最後に、気がついたらだいぶお休みをしてしまっていた。ということで3カ月ぶりの第7回、梅雨明けにちなんで、機能といい色合いといい、夏にぜひ着けて楽しんでほしいコンプレダイバー1960のネイビー文字盤をあらためて紹介したい。

コンプレダイバー1960のネイビー文字盤

 このコンプレダイバー1960は、1960年代に開発された防水ケースであるコンプレッサーケースを使って作られたダイバーズウオッチ、通称コンプレッサーダイバーをモチーフに作ったモデルである。

 ロンジンやジャガー・ルクルトといった名だたるスイスの時計メーカーも製作していたほどで、このケースの存在がダイバーズウオッチ開発に拍車をかけたと言われるほどだった(歴史的な背景など詳しくはアウトライン公式サイトを参照ください)。 

 最大の特徴は回転ベゼルが外ではなく風防ガラスの内側にある点だ。操作は2時位置にあるボタンを回して行う。ケースの構造自体がそうだったために、ジャガー・ルクルトやロンジンが製造したものもすべて同じ仕様だったのである。

日本製の自動巻きムーヴメント、Cal.9015。シースルーバックからはテンプの動きが見られる

 搭載するムーヴメントはシチズン傘下のムーヴメントメーカー、ミヨタの自動巻きムーヴメントCal.9015。同社の8000番台の廉価版と違い、毎時2万8800振動のハイビートで精度も非常に高く、ヨーロッパやアメリカなど海外でも信頼性の高い機械式ムーヴメントとして多くのメーカーで採用されている機械である。

 このコンプレダイバー1960のネイビー文字盤だが、もうひとつのブラック文字盤とは違い、サンレイ仕上げを施している。そのため光の加減で濃淡が生まれ表情が若干変わる。そして、ケースはそんなメタリックな文字盤に合わせて鏡面のポリッシュ仕上げを施し、よりモダンな印象に仕上げた。

ネイビー文字盤は、サンレイ仕上げを施しているため光の加減で濃淡が生まれ表情が若干変わる

 文字盤に12個あるくさび形のインデックスに塗布したルミノバ夜光塗料は、顔料を少し加えてアイボリー調の色合いに変更し、焼けたアンティークの味わいを表現している。ただ、顔料を加えたことで夜光自体の効果がだいぶ薄れていることをご了承いただきたい。

イタリア・トスカーナレザーを使った、ネイビーのヴィンテージ調レザーベルト、裏材には水・汗に強い合成皮革“ロリカ”を使用

 なお、コンプレダイバーは革ベルト仕様。そのため夏に大丈夫なのかと思われるかもしれないが、裏材には合成皮革“ロリカ”を使用している。これはポリウレタンをベースに極繊細繊維で構成された素材で水や汗に強い。そのため、毎日着用するとなるとちょっと厳しいかもしれないが、少々の汗なら問題ないと思う。

 ちなみに、革ベルトにはイタリア植物タンニンなめし革協会が品質を保証したトスカーナレザーを使ったネイビーのヴィンテージ調レザーベルトを採用、アンティークな風合いを強調すると同時にファッション性を高めた。

 この夏のコーディネイトに差し色として楽しんでみてはいかがだろう。

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【SPEC】
●型番: Ref.YK18001-2(ネイビー)
●素材:(ケース)316Lステンレススチール、(ベルト)イタリア製ヴィンテージ調レザー(ほかにスタンダートなタイプも付属する)、裏材は汗に強い合成皮革ロリカ製
●サイズ:ケース径40mm、ケース厚12.7mm
●防水性:10気圧防水(日常生活用強化防水)
●駆動方式:自動巻き(日本製Cal.MIYOTA9015 /24石/毎時2万8800振動(日差-10秒+30秒)/最大巻き上げ時40時間パワーリザーブ/ハック機能搭載)
●装備:逆回転防止機能付き回転インナーベゼル、デイト表示、シースルーバック
●希望小売価格:4万9500円(組み立て:日本)
●保証期間:1年間

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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