菊地の【ロレックス】通信 No.095|唯一、90万円台の実勢価格でも買える“エアキング”

 2021年新作としてエクスプローラー I とII が同時にモデルチェンジを果たしたことで、旧型の自動巻きムーヴメントである3100系を搭載しているのは、ミルガウスとエアキングを残すのみとなった。そこで、今回と次回でこの2モデルについて取り上げてみたいと思う。今回は後者のエアキングについてだ。

 現行エアキングのRef.116900は、旧型のRef.114200が生産を終了してから2年のブランクを経て16年に新生エアキングとして復活。これまでのデザインとはまったくの別物に一新されての登場となった。

 エアキングといえば、1950年代後半からオイスターパーペチュアル エアキングとして、ベーシックなオイスターパーペチュアルの派生モデルとして展開されてきた。34mm径と小振りなケースにシンプルなデザインで、どちらかというとロレックスのエントリーラインとしての位置付けだった。

2007年にリリースされた旧型エアキングのRef.114200。現行のエアキングとは雰囲気がまったく違う。サイズも40mmではなく34mmと小振りだった

 それが一転、スポーツ系モデル(ロレックスではプロフェッショナルウオッチと呼ぶシリーズ)としてケースは6mmもサイズアップ、しかもロレックスの中でも1番と言えるほどの主張の強いデザインが採用された。

 デザインのベースとなったのは、ロレックスが支援していたプロジェクトのひとつで、ジェットエンジンを搭載して開発された「ブラッドハウンドSSC」のコクピットに装備されていたロレックス製クロノグラフだったと言われている。公式WEBサイトにその記述はないものの、秒表示のインデックスやロゴ回りの配色などまさに酷似している。

【写真】デザインのベースとなった思われるブラッドハウンドSSCのクロノグラフはコチラ

現行エアキングのRef.116900。パイロットウオッチをコンセプトとしているため文字盤上のインデックスは3、6、9以外のすべてを秒表示の5〜55となっているのが特徴だ。ケース径は40mmでミルガウス用に開発された耐磁仕様のCal.3131を搭載する

 このデザイン、決してカッコ悪いわけではないのだが、これまでのロレックスからしてみれば、らしからぬデザインであったことは否めない。その意味で正直なところ好みはハッキリ分かれるモデルだ。エクスプローラー I が高騰したいまスポーツ系のなかでは唯一、かろうじてではあるが100万円未満で流通しているのには、そんなことも背景にあるのかもしれない。ただそれでも定価の67万6500円との差は30万円もあるのだが。

 実はこのエアキングも今回の新作発表にまつわる一連の動きに乗じて一時的にものすごい高騰をみせた。なんと新作発表前の3月26日に89万円だった実勢価格は、その1週間後の4月2日には127万円といっきに急上昇。その後数日で20万円以上も下落するという乱高下ぶり(グラフ参照)。ロレックス市場のいまを物語るまさに奇っ怪な動きだったのである。

新作発表を5日ごに控えた4月2日に127万円を記録した(ウオッチライフニュースの週間ロレックス相場より)

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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