近年、ユニークな時計ブランドが続々と登場しているアジア圏の時計界。今回は、台湾から日本発上陸を果たした注目ブランドをどこよりも早く紹介していこう。
》独自の配合で作り上げたコンクリート文字盤に注目
腕時計の文字盤に採用される素材といえば金属が一般的だが、ここ数年の間に時計の外装パーツの加工技術が進化したこともあり、文字盤素材の多様化が促進。いままでは一部の高級ブランドだけが採用してきたカーボン、ラピスラズリなどの天然石などを文字盤に採用したモデルがカジュアルウオッチからもリリースされるようになってきた。
まだ静かなブームではあるが、今後大きなトレンドになっていきそうな雰囲気もあり、こうしたユニーク素材を採用したモデルは、時計ファンであればいまのうちからチェックしておきたいジャンルのひとつといえるだろう。
そこで、注目したいのが2005年にデザイナーである游(ユウ) 声堯氏が創設した台湾の人気ブランド“22STUDO(22スタジオ)”だ。同社では時計では珍しい“コンクリート”を文字盤に採用しており、建築家“安藤忠雄氏”の建築作品などからインスピレーションを得た、ミニマルでありつつ、明確な個性を備えたコレクションを展開している。“コンクリート”と聞くと、無機質なイメージを思い浮かべるかもしれないが、実際に時計を見ると、そのイメージは良い意味で裏切られることになるはず。22スタジオでは、独自に配合した“コンクリート”を採用することで、一般的な金属の文字盤にはない、温もりを感じさせるデザインに仕上げられているのだ。
文字盤はすべて台北にある自社工房で、職人が一つひとつ手作業で製作。代表作である“セクターウオッチ”ではその名の通り古典的なセクターダイアルから範を得たシンプルなデザインをベースにしている。
写真の自動巻きモデルでは、コンクリート文字盤の下にスーパールミノバを塗布したレイヤード構造を採用。立体的な造形に加えて、視認性がしっかりと考慮されている点も好印象だ。
独自開発したキメの細かいコンクリートで立体的な文字盤を成形することで、シンプルデザインにプラスワンの個性を獲得しているのが魅力といえるだろう。ちなみに、22分の目盛りだけ少し高さを変えているのは、22歳でブランドを創設したことにちなんだデザインとのこと。
セクターウオッチは、セリタ社製の自動巻きを搭載した機械式と、日本製クォーツの二種類をラインナップしており、シルバー、ブラック、ゴールドと三種類のケースで多彩なモデルをラインナップ。ケースカラーに合わせて文字盤、針の色調をアレンジするなど、ディテールにも丁寧な作り込みとこだわりが感じられる。クラウドファンディングで先行発売を開始しているので、気になった人はぜひチェックしてみよう。
》編集部のおすすめモデル-其の1
22 STUDIO(22スタジオ)
コンクリートセクターウォッチ40mm
クォーツモデルは機械式モデルよりも3mm小振りで、若干スリムな40mmケースを採用。コンクリート文字盤も夜光のないミニマルなデザインに仕上げられている。
■ステンレススチールケース、レザーストラップ。ケース径40mm。3気圧防水。クォーツ。一般発売予定価格4万円
※クラウドファンディングサイト“GreenFunding(グリーンファンディング)”にて先行発売
》編集部のおすすめモデル-其の2
22 STUDIO(22スタジオ)
コンクリートセクターウォッチ43mm オートマティック
存在感のある43mmのシリンダーケースに、スイス製の自動巻きムーヴメントを搭載した機械式モデル。アイコンとなっているコンクリート製のセクターダイアルは下地にスーパールミノバを塗布したレイヤード構造になっており、金属とは異なる独特の質感と立体的な造形が、ほかにはない個性を主張してくれる。
■Concrete Grey Edition。ステンレススチールケース、レザーストラップ。ケース径43mm。5気圧防水。自動巻き(Sellita SW200-1)。一般発売予定価格8万円
※クラウドファンディングサイト“GreenFunding(グリーンファンディング)”にて先行発売
“22STUDIO(22スタジオ)”は、日本での一般発売に先駆けてクラウドファンディングサイト“グリーンファンディング”で(2021年4月15日まで)を実施している。一般流通に先がけて、いち早く時計を手に入れることができるのは大きな魅力なので、気になった人はチェックしてほしい。
【問い合わせ先】
Gumo (株式会社Japan Insider運営)
E-mail:contact@japaninsider.co
【先行発売サイト: 22STUDIO“グリーンファンディング”支援ページ】
https://gumo.works/22StudioMag
文◎船平卓馬(編集部)