菊地の【ロレックス】通信 No.078|小振りで着けやすいベーシックな旧エアキング

 1940年代にはじめてその名が登場し、現存する最古のペットネームとしても知られる“エアキング”。1950年代後半からはオイスターパーペチュアル エアキングとして、ベーシックなオイスターパーペチュアルの派生モデルとして展開されてきた。

 通常のオイスターパーペチュアルとの違いはというと、クロノメーター認定を受けたムーヴメントが搭載されているかどうかだった。つまり、エアキングは認定を受けていないムーヴメントが搭載されており、どちらかというとコレクションのなかで最もリーズナブルなエントリーモデルとして最近まで位置付けられていたのである。


プレーンなドーム型のベゼルをもつRef.114200。エクスプローラー I と同じ3・6・9インデックスがラインナップされている

 それが、2016年にモデルチェンジされて新生エアキング(Ref.116900)として登場。それまでのベーシックなものではなく、ミルガウスと同じ耐磁能力を備えたパイロットウオッチに様変わりした。つまり現在は独立したコレクションとなっているのだ(現行エアキングについてはこちら)。

 さて、今回取り上げたのは、そんなパイロットウオッチになるひとつ前でベーシックな時代の最終形、Ref.114200だ。このRef.114200だがロレックスにおける自動巻きムーヴメントの完全クロノメーター化に伴って、それまでのRef.14000M(2000〜07年)から2007年にモデルチェンジされたものである。そのためムーヴメントのキャリバー番号こそRef.14000Mと同じCal.3130だが、文字盤上の6時位置にはCOSC認定クロノメータームーヴメントであることが明示されている。


古典的な意匠のエンジンターンドベゼルを装備したRef.114210。流通数が少ないためか、店頭でなかなか見かけることが少ない

 また、ベゼルのバリエーションもシンプルなドーム型(Ref.114200)だけでなく、エンジンターンド型(Ref.114210)や18金ホワイトゴールドを使ったデイトジャストと同じフルーテッドベゼル(Ref.114234)もラインナップするなど、それ以前よりも選択肢はかなり幅広くなっている点もこのレファレンスの大きな魅力だ。

 そして何よりも34mmという小振りなサイズなのもこの時代のエアキングの特徴。ロレックスの場合、ブレスレットがしっかり作られているため若干厚め。そのため特に手首が細い人であれば着けたときに34mmぐらいにほうがブレスの厚みのぶん、よりしっくりくる場合がある。ショップで36mmのオイスターパーペチュアルと着け比べてサイズ感を確認してみるといいのではないか


デイトジャストと同じ18金ホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルがエアキングに初採用された、Ref.114234

 このエアキングが生産終了したのは2014年のことだ。それまでデイト表示の無い オイスターパーペチュアルは36mmだけだったが、15年から34mmと39mmが新たに加わった。つまり、15年からオイスターパーペチュアルに1本化されたために、文字盤から「Air-king」ロゴが消えたということのようである。

 現在の実勢価格はRef.114200で40〜50万円台半ばと、生産終了時の税込定価51万8400円(消費税8%換算)を下回る価格でも流通している。スポーツ系は確かにカッコイイし魅力的だが、たまには日常使いにちょうど良い、こんな旧型にも目を向けてみてはいかがだろう。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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