【知っておきたい腕時計の基本】腕時計は精密機械。気温の影響を受けることもある。

 毎日、寒い日が続いているが、こうした寒さ暑さといった気温が腕時計に与える影響は少なからずある。

 ご存じのとおり時計は大半が金属部品によって構成されている。そして金属の多くは温度変化によって硬くなったり軟らかくなったり、さらに膨張したり縮小したりする。
 もちろん、それらは使っている人が実感できるレベルのものではない。しかし、繊細かつ複雑な構造となった機械式ムーヴメントでは、そうしたわずかな差でも影響が出てしまうのだ。

 こうした温度変化の影響を受けやすいもののひとつが精度である。なぜなら精度を司るヒゲゼンマイも多くが金属製で、これが気温によって膨張・縮小することで、慣性モーメントが変わってしまうからだ。それがたとえほんのわずかな違いであっても、1時間で2万1600もしくは2万8800(現代の機械式ムーヴメントの標準的な振動数)も振動している機械式ムーヴメントでは、積もり積もって精度に誤差が出てしまうというわけである。ちなみに一般的には、寒い日に進みやすく、反対に暑い日は遅れやすいと言われている。
 もっとも、温度変化が原因で生まれる誤差は1日で1秒程度と言われるため、おそらく気づかない人がほとんどであろう。しかも近年はシリコンなどの非金属素材や温度差の影響が少ない金属を使ったヒゲゼンマイを用いて、改善しているメーカーも増えてきている。

ロレックスの機械式ムーヴメントに納められているテンプ。ブルーの渦状のパーツがヒゲゼンマイだ。同社が独自に開発したこのブルー・パラクロム・ヒゲゼンマイは、約5年におよぶ研究開発の末、2000年に完成したもので、温度変化に強いほか、耐磁性や耐衝撃性に優れている

 

 また機械式時計だけなく、クォーツ時計も気温の影響を受ける。
 クォーツ時計には水晶振動子が使われているのだが、これが25℃付近を基準として、温度がも高くても低くても、振動数が少なるという特性があるからだ。そのため、クォーツ時計では暑い日や寒い日に精度が遅れる傾向にある(いまは温度補正機能が加えられていることが多い)。

 現在は、気温の変化に対して様々な対策や改良がなされているため、精度への影響はわずかだ。もしも自分の時計で精度の誤差が大きく出るようであれば、それは別の原因である可能性が高いため、一度修理店などでみてもらうといいかもしれない。

 

文◎堀内大輔(編集部)

 

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