ドイツの時計ブランド、ラング&ハイネの創業者であるマルコ・ラングが同ブランドを離れて早くも1年半が経った。
以降はひとりの時計師として新たなプロジェクトをスタートさせることがアナウンスされていたが、それがようやく形となり、このたび待望の新作“ツヴァイゲズィヒト”が発表されたので紹介したい。
ツヴァイゲズィヒト 1
本作ではこのステレンススチール仕様のほか、ローズゴールド仕様やプラチナ仕様といったバリエーションも用意され、すべてを含め18本のみの限定。■SS(40mm径、9.5mm厚)。5気圧防水。手巻き(Cal.ml-01、約70時間パワーリザーブ)。限定18本。税別予価880万円(ローズゴールド仕様は980万円、プラチナ仕様は1060万円)
Zweigesicht(ツヴァイゲズィヒト)と名付けられた本作は、文字どおり“Zwei(2つ)”の“gesicht(顔)”をもつ、ユニークなダブルフェイスの腕時計だ。
表裏の両面に時刻表示をもつダブルフェイス時計で有名なところでは、フランク ミュラーやジャガー・ルクルトのレベルソなどが挙げられるが、ツヴァイゲズィヒト 1はそのいずれとも異なる反転構造をもつ。その構造というのが、専用工具によってラグ自体をミドルケースから取り外し、反転させるというもの。工具を使用しなければならないため、毎日入れ替えられるような手軽さこそないものの、シンプルなフェイスと、メカニックな美しさが強調されたもうひとつのフェイスとで、異なる雰囲気が楽しめるというのはうれしい。
また本作ではもうひとつユニークな新機構が、メカニカルに仕上げられたフェイス側に搭載されている。
それが9時方向にあるショック・インディケーションだ。これは簡単に言うと、ムーヴメントにどのような衝撃が加わったのかを表示するための機構。あくまで衝撃を可視化するだけの機構だが、これによりユーザー自身が日々どのように時計を扱っているのか向き合うことができる、というわけである。
なお、本作はステンレススチール仕様でも税別予価880万円(!?) とかなり高額だ。ただ年産5本程度のペースでマルコ・ラング自身が1本ずつ作り上げていくとのことなので、その希少価値やクオリティを考えれば価格に見合うだけの満足感は得られる違いない。
文◎堀内大輔(編集部)
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