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【時計界の新たな指標となるか!?】世界の変化に連動する、“サステナブル”な3つのカジュアルウオッチ

21世紀に入り、限られた資源をより慎重に使わなければならない時代になり、グローバルフットプリントを検討する企業が急増。ブランド自身が環境に与える影響を分析することは、限られた資源を有効的に使用するだけではなく、ブランドの価値を高め、さらに企業収益にプラスの効果をもたらすことができると考えられる。

》環境へ配慮した時計作りを実践することが、ブランドの価値を高める新たな指標になる

時計業界は他業界と比較し、後発と思われているかしれないが、実は水面下で多くの時計ブランドが“違いを生み出す”という役割を果たすために、サプライチェーンを再考している。

高級ブランドのなかにもいくつかサステナブル(持続可能)な時計作りを進めているブランドはあるのだが、今回は、そうした取り組みを先行して進めてきたカジュアルウオッチのジャンルから、サステイナブルな製品を作るために良心的に努力をしている3つの事例を紹介する。

》事例1【TRIWA(トリワ):オーシャン プラスチックコレクション 】

はじめにスウェーデンのカジュアルウォッチブランドの中のひとつでもある、トリワ。 2020年4月に発売されたトリワの“タイム・フォー・オーシャンズコレクション”は、スイスのTide Oceans社製、海洋リサイクルプラスチックを全面的に使用したクオーツウォッチのコレクションで、 注目すべき点は、ペットボトル約1万本分に相当する海洋プラスチックのリサイクルに貢献しているのである。

《タイム・フォー・オーシャンズ コレクション ・スペック》
■(左)タイムフォーオーシャンズ・オクトパス、Ref. TFO106-CL150112。(右)タイムフォーオーシャンズ・サンド、Ref. TFO105-CL152612。Tide Oceans社製・海洋リサイクルプラスチック(37mm径)。10気圧防水。クォーツ(MIYOTA2035)。各1万6500円

また、同社では、このコレクションとは別に現在、「タイム・フォー・オーシャンズ アークティック」に取り組んでおり、アイスランド周辺海域で発生する、ペットボトル約1万本相当分の海洋プラスチックのクリーンアップとリサイクルへの意識を広めることを目的にしている。

【問い合わせ】
アイ・ネクストジーイー
TEL.03-5496-4317
https://www.triwa.com/jp/


》事例2【LUMINOX(ルミノックス):ベア・グリルス サバイバルECO 3700 ウォッチ】

ルミノックスは、テレビシリーズ「Born Survivor」で知られている、イギリスの冒険家・ベア・グリルスとコラボレーションしたサスティナブルな時計を発表した。 この時計は、100%リサイクル素材を使用しながら、サバイバリストに必要な耐久性を備えている。

ベア・グリルス は「私たちの野生の場所や自然環境への害を減らすために、私達が見たいと思うような変化をもたらす必要がある。 ルミノックスの新しいエコシリーズ・ウォッチがプラスチックのない未来への道を切り開くことができたことを誇りに思う」と述べており、このモデルではケース、ベゼル、ベルトは全てリサイクル素材を使用。インド洋のアンダマン海で地元漁師によって集めた廃材は、洗浄、粒状にし、素材に加工している。

《BEAR GRYLLS SURVIVAL ECO 3700 SERIES Ref.3703スペック》
■Ref.3703。海洋廃棄プラスチック再生素材(45mm径)。200m防水。クォーツ(Cal.RONDA 515)。世界限定1500本。5万8300円

販売価格の一部は非営利団体のProject Awareへ寄付され、スキューバダイバーと共に海洋環境を守る。

【問い合わせ】
ルミノックストウキョウ
TEL.03-5774-4944
http://www.luminox.jp


》事例3【MONDAINE(モンディーン):エッセンス】

最後にスイス レイルウェイ ステーションクロックで有名なモンディーングループは、時計ブランドとして、カーボンニュートラルになったことを発表している。

同社は炭素排出量ゼロの事業展開しており、全ての時計、時計部品、パッケージの製造に関連している。 モンディーングループは、数十年前から二酸化炭素排出量の削減に取り組んでおり、 彼らは2019年に太陽光発電システムをスイス・ソロトゥルン工場に導入し、発電による温室効果ガスの排出量を最大80%削減することに成功している。

2015年よりリサイクルPETフェルト、PETナイロンや環境に優しいコットン、コルク、ヒマシ油を使用したレザーストラップを提供している。 また2019年には、時計ブランドとして初めて、消費者が不要な時計をスイス・ソロトゥルン工場に送り、分解しリサイクルするサービスを開始している。リサイクルと資源の慎重な利用はこれまで以上に重要になる中、モンディーンは自社の時計に適したリサイクル素材を常に探し求めているようだ。

このモデルは2017年に発売されたエッセンスシリーズ。環境に配慮し、ケースにキャスターオイルをベースとした再生可能な樹脂素材を採用することで従来の時計より約70%ほどプラスチックの量を減らすことに成功。ベルトの表面には、リサイクルされたテキスタイルが採用され、裏面には天然のコルク素材を使用。時計を収納するポーチも再生ペットボトルで作られている。

《エッセンス 41mm・スペック》
■(左)ダークグレー41mm、Ref.MS1.41180.LH。(右)グレー41mm、Ref. MS1.41111.LH。植物油原料樹脂(41mm径/表は再生テキスタイル、裏は天然コルクベルト。200m防水。クォーツ。2万6400円

2021年以降に向け、どの時計ブランドが環境に配慮した製品発売をするのか、また製造時に革新的な製造方法を採用するのか、この先も興味深いところである。

【問い合わせ】
DKSHジャパン(モンディーン)
TEL:03-5441-4515
http://www.mondainewatch.jp


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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