【アンティーク購入指南ダイバーズ編】セイコーやオメガ ― 第4回ゼロからわかるアンティークウオッチ

 アンティークウオッチの基本的なことを全5回にわたってお届けする連載企画。第3回では当時から人気を集めるクロノグラフ編をお届けしたが、今回のテーマでは、“ダイバーズ”について紹介。当時のダイバーズはどれほどのスペックを備えていたのか、詳しく見ていく。

 

》数多くの世界初が生まれた人気ジャンル

 数値で表すことで、一般消費者にもわかりやすく技術力をアピールできるダイバーズウオッチは、1950年代半ば以降、多くのメーカーが技術開発に注力した。熾烈な開発競争の末に数多くの“世界初”が生まれ、人気の高い分野だ。

 1番の売りであった防水性はいまでこそ発揮されないが、独自の防水技術や意匠など語りドコロは満載で、それゆえ、“世界初”の冠や歴史的な業績をもつモデルほど人気が高く、高額になる。好例が“世界初のダイバーズ”として知られるロレックスのサブマリーナ (諸説あり)である。

 一方で60年代半ば以降は各社が競ってダイバーズを発表していたため、相場はグッと下 がる。デザインも豊富なので、初心者はこの辺りからチョイスするといい。

》各社が独自の防水構造を開発

 機械の弱点である“水”をどう防ぐかは、腕時計が誕生してほどなくして命題として研究が進められた。その技術史において忘れてはならないのが、ロレックスが1926年に取得した、ゼンマイ巻き上げ用のネジ込みリューズを備えたスクリューバック方式のケース“オイスター”の特許技術である。

 その後も多くのメーカーが防水技術の開発に力を注ぎ、自らの技術力を誇示した。写真左はオメガのクリップ式の2重ケース構造の特許(33年)。同右はEPSAというケースメーカーが取得した防水ケースの特許(55年)。

》アンティークダイバーズはココに注意!

 アンティークウオッチの防水性が保証されないことは先にも述べたが、これは高防水のダイバーズ仕様にも基本的には当てはまるため、勘違いは禁物。アンティークダイバーズを購入する際は、デザインやメカニズムをその魅力として割り切ったほうがいいだろう。

》多くのブランドがダイバーズを展開
 1960年代から70年代にかけては大小様々なメーカーからダイバーズウオッチがリリースされた。ロレックスのサブマリーナを範とする王道スタイルのモデルもあれば、特徴的なケースフォルムや奇抜なカラーリングを施したモデルまでバリエーションは実に幅広く、こうしたモデルに目を向けるのも一考である。

 ただ、その多くがダイバーズ仕様ゆえにハードな環境で使用されていたため、コンディションの良い個体が市場に出回るのは少なくなっている。

 

》編集部のオススメ ― ダイバーズ編

セイコー 600mダイバー。Ref.6159-7010。TI(52mm径)。自動巻き(Cal.6159B)。1975年製。参考相場15~30万円/参考商品
 世界ではじめてチタニウムケースを採用し、600m防水を実現したプロダイバーズ。裏ブ タとミドルケースを一体型とし、高い気密性と耐久性を確保。外装だけでもなんと20件もの特許が取得された。この個体は防水表記に“m”がない初期の文字盤タイプ。

 

》ビギナーにはバリエーションが豊富で手ごろなオメガがおすすめ

オメガ。(右)シーマスター120。参考相場12~36万円。(左)シーマスター 600 プロプロフ。参考相場55~90万円/すべて参考商品
 当時、積極的にダイバーズモデルを発表していたブランドのひとつがオメガである。シーマスターは120、200、300、600、1000mと防水性能の異なる派生モデルを発表し、デザインも多様なバリエーションが展開された。最初に投入されたシーマスター300は人気が高く相場も高めだが、量産としてリリースされたシーマスター120や200は、比較的値ごろでおすすめだ。

 最終回となる五ジャンル目は“ミリタリー”編。実力派が揃う軍用時計を紹介していく。

 

構成◎松本 由紀(編集部)/文◎堀内 大輔(編集部)/写真◎笠井 修

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