女性編集者がレディースウオッチの新作を実際に見て、感想を交えて紹介する本企画。今回は“CHAUMET(ショーメ)”の2019新作コレクション“Boléro(ボレロ)”を紹介していく。
【コレクション紹介】
1780年にパリで創業したハイジュエラー、ショーメのウオッチ部門は200年にわたり触感時計やミステリークロック、メトロノームといった、数々の個性的なタイムピースを作り続けてきた歴史を持つ。
そんなショーメが、2019年に新たにコレクションを生み出した。それが、K18ピンクゴールドをふんだんに使用したボレロコレクションだ。
モデル名のボレロとは、情熱的な愛のダンスとともに演奏されるラテン音楽や、繰り返されるメロディーと壮大なクレッシェンドで知られるラヴェルの名曲“ボレロ”に由来している。また、バレエに造詣の深い人ならば、フランスの振付家、モーリス・ベジャールによる官能的な振付けで知られるバレエ作品を思い浮かべるかもしれない。
また、ブランドの創業者である、マリ=エティエンヌ・ニトがバイエルン王国オーガスタ妃のために、1811年に制作した、ゴールド・エメラルド・パールを用いたショーメの最初の時計も、ボレロコレクションと名付けられており、こうした様々な要素が交差し合って、ショーメの新作ウオッチの大胆なデザインは誕生した。
【モデル紹介】
ボレロコレクションは、ブランドの特徴である流線的なフォルムが随所で表現されている。例えば美しい円を描くケースの輪郭や、留め金で採用されたコイン型のフォールディングクラスプなどだ。
ラインのきれいなケースは、横から見ると円盤のような形になっており、厚みのあるデザインがK18ピンクゴールドの質感を際立たせる。リューズは円盤形のケースから飛び出すように、先を尖らせたシンプルで個性的なデザインを採用し、デザインにアクセントをプラスしつつ、操作性もしっかり考慮されている
デザインに関しては、ケースとフォルムを合わせたバックルもポイント。コインの形と、丸みのあるケースがふたつでひとつのような印象を与え、統一感のあるエレガントな印象を与えてくれる。
文字盤はローマンインデックスを12時位置にのみ配したミニマルなデザイン。ファセットカットされた針も太めにデザインされているため視認性も抜群だ。また、自動巻きモデルにはサンレイ仕上げのブラック文字盤のほかに、グレイン仕上げのホワイト文字盤も展開している。
【装着感は?】
手首に着けるとK18ピンクゴールドのケースとブレスレットが心地よい重量感を感じさせてくれた。ケース径も36mmと、ゴージャスなデザインならではの存在感抜群のサイズだ。
レディースウオッチでは少し大きめのボーイズサイズだが、ケースの形はなめらかな線を描き、ラグを無くして直接ケースにブレスレットが設置されているので手首とブレスレットの間に隙間がなくしっかりとフィットしてくれる。見た目以上に装着感は良好。
ちなみに、今回見せて貰った自動巻きモデルは36mmサイズで展開しているが、クォーツムーヴメントの30mmサイズも同時に発売している。小さいサイズのボレロも見逃せない。
ブレスには着け心地の良いK18ピンクゴールドメッシュブレスを採用し、着けるだけで品格あふれる手首にしてくれた。
【推しのポイント】
ジュエラーであるショーメでは珍しく、ダイヤモンドを一切使用しないシンプルですっきりとした雰囲気や、円盤形のケースデザインがお気に入り。主力ラインであるオルタンシアやリアンなどのコレクションとはまた変わった印象を与えてくれ、日常使いしやすいデザインが素敵だった。それに加えて、大きめなケースが好きな私としては36mmというケースサイズも見逃せないポイントだ。
また、ミニマルなデザインのなかに上品さを備えたデザインも魅力的。ボレロには太めのファセットカットされた針が採用されているので時間も見やすく、まさに働く女性にピッタリな実用性あふれるモデルに仕上げられたといえるだろう。
CHAUMET(ショーメ)
ボレロ
■Ref.W83759-001,K18PG(36mm径),30m防水,自動巻き,280万5000円
文◎松本由紀(編集部)
【問い合わせ先】
ショーメ
TEL.03-5635-7057
https://www.chaumet.com/jp