2018年10月に数十年ぶりに日本での正規取り扱いが再開されたチュードル改め、チューダー。いま旬のこのブランドにスポットを当て、アンティークウオッチ専門誌『LowBEAT』のバックナンバーに掲載されたアンティークチュードル特集を連載で紹介しよう。3回目となる今回は、チューダー サブマリーナの第2世代にスポットを当てる。なお、記事内では当時の呼び名に合わせて“チュードル”のまま表記している。
<前回記事>
アンティーク解体新書
「チュードル サブマリーナ」③
新しいデザインを取り入れ、
チュードルらしさを追求
第1世代の最終モデルとなるRef.7928が生産終了となり、1969年のカタログにニューモデルとして同時に登場したのが、Ref.7016/0、そしてRef.7021/0の二つのレリファレンスだ。Ref.7928の登場で一応の完成を迎えたチュードル サブマリーナであったが、このレファレンスからは搭載ムーヴメント、そしてデザインを刷新。いわば、第2世代にあたるモデルである。
この第2世代モデルからはスペック面以上に、刷新されたデザインに大きな特徴がある。これまでチュードルの象徴ともなっていた小バラモチーフは盾モチーフに変更されたほか、そして何よりも“スノーフレークダイアル”が初めて採用されている。針、そしてインデックスに正方形を取り入れた大胆なデザインだが、これは雪の結晶(スノーフレーク)にインスピレーションを得ていることから、そう呼ばれる。しかし、日本のファンからは針の形状がイカのように見えることから〝イカサブ〟の名のほうが定着しているようだ。
トリプロック仕様となった
進化版“イカサブ”
さらに1970年代に入ってからほどなく、74年のカタログから登場し始めたのが、Ref.9401/0と9411/0である。外見上、両者の違いを分けているのはデイトの有無となっているが、デザイン的には第2世代の7016/0と7021/0と比べてみても、大きな変更点は見られない。
では、何が変わったのかというとまずひとつがムーヴメントである。ETA製ということに変わりはないが、毎秒8振動(毎時2万8800振動)のCal.2784へと切り替わった。また、リューズはこれまでのツインロックタイプから、信頼性を高めたトリプロック仕様へと変更。実用面での防水性が強化されている。