個性派俳優として知られる木下ほうか氏。筆者がプロデュースする時計ブランド、アウトラインとのコラボレーションもこの度2作品目が完成した。そこで、あらためて前作と今作についてその魅力を紹介したい。
木下氏はアンティークロレックスの愛好家としての顔をもつ。そのため筆者が発行する時計専門誌「パワーウオッチ」の誌面に出ていただいたことが縁で、毎年夏に銀座で開催するアンティーク時計フェア(昨年はコロナ禍で中止)にも毎回ゲストとして来ていただいていた。そんなお付き合いもあって、筆者が展開する時計ブランド“アウトライン”とのコラボレーションの話を持ちかけたのが2019年4月のこと。一発返事でOKをいただき具体的にスタートしたのが6月のことだった。
上が2020年10月に発売したパートナー1。下が来る11月に発売予定のパートナー2である
コレクション名は“パートナー”。木下氏曰く「毎日の良きパートナーとして愛用してもらいたい」という思いから、氏自身が付けた名前だ。そしてコンセプトはズバリ「自分が欲しいと思えるものを作る」。つまり、長年さまざまなアンティークロレックスを見てきた経験を生かして、そんな木下氏でさえも欲しくなるようなものを作りたいと。そのためこだわりと想いはかなり強く、要望も驚くほど細かい。開発に真剣に取り組んでいるということを肌で感じるほどだった。
1960年代のダイバーズウオッチがモチーフのアウトライン・パートナー1
そのため1号機の仕様が固まるまでに1年もかかってしまった。そしてようやく完成し2020年10月に発売したのが上の写真“アウトライン・パートナー1”である。1960年代のダイバーズウオッチをモチーフに、文字盤に通称トロピカルと呼ばれる、経年変化によって焼けて変色したようなブラウンを再現している点が特徴だ。発売に先駆けて実施したクラウドファンディングでの先行予約では何と1400万円以上もの申し込みが集まるなど驚くほどの高い評価を得たのだった。
ハニカム模様の文字盤が特徴のアウトライン・パートナー2
そしてこの度、そんなアウトライン・パートナーの2作目が完成した。前作とはガラッと雰囲気が変わり、「3・6・9」アラビアインデックスが代名詞となっているあの往年の傑作がモチーフだ。そして今回、木下氏がこだわったのはまたもや文字盤。通称ハニカム模様と呼ばれる1950年代に一時的に見られた希少な文字盤装飾を再現することだった。それともうひとつ力を入れていたのが、アンティークウオッチの雰囲気に徹底してこだわって作っていた点だ。一見すると本物のアンティークウオッチじゃないのと勘違いするぐらい、かなり絶妙な味わいを再現している。これも今作の特筆すべき点と言えるだろう。
ちなみに、現在はすでに3作目の開発に取り掛かっている。まだ、内容についてはお話しできないが、これが実現したらかなり話題になることは必至だろう。ただ、あくまでも実現できればの話なのだが…。もちろん、お金をかければできないことはないのだが、それは当然定価に影響してきてしまう。ここが何とも製品化で一番に悩ましいところなのである。
【アウトライン・パートナー1】 Ref.YK20201-1(ドットタイプ)、Ref.YK20201-2(3・6・9タイプ)。SS(40mm径)。10気圧防水。自動巻き(セイコーエプソン製 Cal.YN55A)。各150本限定(Ref.YK20201-2は完売)。6万6000円 ※当サイトのオンラインSHOPで販売中
【アウトライン・パートナー2】 Ref.YK20211-1BK(ブラック、250本限定)、Ref.YK20211-2WT(ホワイト、150本限定)。SS(36mm径)。5気圧防水。自動巻き(ミヨタ製Cal.9039)。各5万5000円。11月下旬発売予定(※現在、クラウドファンディング「ウオッチメーカーズ」で15〜10%OFFで先行受付中) WATCH Makers
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