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【コラボモデル再考】藤原ヒロシとウオッチメーカーのコラボレーションはどんな化学反応をみせたのか?

 ストリートカルチャーの震源地として広く知られる藤原ヒロシ氏。1990年代、爆発的に流行した裏原系というジャンルも藤原ヒロシというファッションアイコンを中心に巻き起こったブームのひとつといわれている。

 また、パンク、ヒップホップ、クラブミュージック、スニーカー、スケートボードなどこれまでに培ってきたストリートカルチャーと、ハイブランドやアートといったハイソサエティなカルチャーをミックスさせた独自のスタイルを、いち早く世界に伝えたのも同氏である。このスタイルは現在のファッション業界において、メインストリームとなっており、ルイ・ヴィトンやティファニーなどの有名ブランドも取り入れたプロダクトを数多く発表している。

 そんな藤原ヒロシ氏を、世界中のファッション関係者は“キング・オブ・ストリート”と呼び、“彼が首を縦に振れば、有名ブランドも嫉妬するほどの行列が形成される”といわれるほどに、絶大な影響力をもっている。
 同氏が主宰する“フラグメント(fragment design)”は様々なカルチャー、ブランド、企業などとコラボレーションし、新たなムーヴメントを現在進行形で生み出し続けているのだ。

 腕時計の愛好家としても著名な藤原ヒロシ氏は、自身のSNSにも、アンティークロレックスを中心に様々な時計の写真をアップしている。
 なかでも印象的なのは、パテック フィリップのような高級機にナイロンNATOベルトを合わせるスタイルや、ロレックスの文字盤にフラグメントのシンボルであるサンダーマークを入れるなど、随所にオリジナリティを感じさせるアレンジを加えているところだろう。

 今回は、キング・オブ・ストリートと呼ばれる藤原ヒロシ氏がウオッチメーカーとコラボレーションし、生み出してきた時計にスポットを当てていきたい。

 まず、紹介するのは同氏の主宰する“フラグメント”とスイスの時計メーカー“タグ・ホイヤー”がコラボレーションした“タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー 02 by Fragment Hiroshi Fujiwara”である。

“タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー 02 by Fragment Hiroshi Fujiwara”

■Ref.CBK221A.EB0171。SS(39mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.02)。参考定価95万7000円(※販売終了)

 1963年に発表されてから55周年を記念して2018年に発売されたモデルで、藤原ヒロシ氏が全面的にデザインを担当。

 小さめのドーム型風防、ベージュカラーのインデックスなど、オリジナルモデルを想起させるデザインに、2018年当時最新の自社製ムーヴメントである“キャリバー ホイヤー02”を搭載し、ヘリテージモデルへのオマージュとブランドの最新技術へのリスペクトをこめた1本となっている。

 また、ブラックベルトとブラック&グレーのナイロンNATOベルトが付属しており、藤原ヒロシ流のコーディネイトが楽しめるのもポイントだ。

 

 

 

 もう1本紹介しよう、こちらはフラグメントとブルガリのコラボレーションモデルである“FRAGMENT x BVLGARIブルガリ・ブルガリ 日本限定モデル”だ。

“FRAGMENT x BVLGARIブルガリ・ブルガリ 日本限定モデル”

■Ref.SAP103443。SS(サンドブラスト加工、41mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal. BVL 191)。日本限定250本。参考定価55万円(※販売終了)

 ブルガリと藤原ヒロシ氏の精神性を融合した時計。
 
 ベースモデルは“ブルガリ ブルガリ”でオリジナルのデザインを踏襲しながらも、これまでの要素を覆すサンドブラスト加工を施したSS製ベゼルとケースには、“BVLGARI”と“FRGMT“の文字が刻まれており、コラボレーションモデルであることを強く印象付けている。

 漆黒のラッカー仕上げの文字盤にはフラグメントを象徴するサンダーマークが配されており、インデックスを取り除いたミニマルなデザインで、藤原ヒロシ氏のアイデンティティを表現した。

 ナイロンNATOベルトが2種類付属しており、気分やシーンによって使い分けられるのも魅力的な部分といえるだろう。

 上記のモデル以外に、ゼニスとのコラボレーションモデルも発表している藤原ヒロシ氏。ドレッシーかつフォーマルな印象が強い高級腕時計の世界に、ストリート由来のエッセンスを加えることで、新たな魅力を再構築しているのではないだろうか。

 残念ながら今回紹介したモデルは、すでに販売を終了しているため、新たなコラボレーションモデルの登場が期待される。

 ストリート界の重鎮である同氏が、腕時計の世界にどのような影響を与えていくのかこれからも注視していきたい。

 

 

文◎川田健人(編集部)

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