Monta(モンタ)はジャスティン・クラウデルが2015年に創業した日本未上陸のマイクロブランドだ。 アメリカ合衆国中西部・ミズーリ州セントルイスに拠点を置き、17年の1月にファーストコレクションの発売を開始している。
モンタの時計は50年代や60年代のトラディショナルスタイルのツールウォッチに敬意を表したデザインを採用しているのが特徴。スイスの伝統的な時計製造を継承しているが、販売は自社の公式サイトを介して、消費者とダイレクトに取引する販売方法である、ダイレクト・トゥー・コンシューマー(D2C)のビジネスモデルを採用している。
時計は全てスイスで製造。社内で製造するモデルのコンセプトをまとめ、そのまま自社のデザイナーが最先端ソフトウェアを使用してプロトタイプまで製作し、最終的に製品として仕上げるスタイルを採用している。時計はスイスで手作業で組み立てられており、最終的な品質管理は、モンタの社内時計製造チームによりミリ単位で実施。フィット感、感触、デザイン、構造など厳しい精度基準で行われているとのことだ。
モンタは搭載するムーヴメントにも強いこだわりをもっており、ジャスティン・クラウデルとビジネスパートナーは、モンタの時計に最適なスイス製のベースムーヴメントを探すために2016年にスイスのヌーシャテルに出向き、ETA、エテルナ、そしてセリタの3つのムーヴメントメーカーで製品をチェックしている。
エテルナのキャリバー39については試行錯誤の末、量産には向かないという結論に達したようだが、ETA2892とセリタSW300を最終候補として選定。最終的には薄さ、精度、美しさ、そして100年を超える歴史を評価して、セリタを選択することとなった。
時計の美観や印象はディテールの作りで大きく変わってくるものだが、文字盤にレイアウトされたアプライドインデックス、ダイヤモンドカットの針、面取りされたラグ、リューズなど、パーツを見ると加工精度の高さが実感できる。
エッジの仕上げ、表面の研磨の美しさは、同価格帯のブランドと比較しても出色の出来栄えといえるだろう。今回は、そんなモンタのコレクションより、3本の時計を紹介する。
Monta(モンタ)
アトラス
アトラスは3色のダイヤルカラーから選べるGMTウォッチで、オパールのような乳白色のシルバー文字盤は多次元的なコントラストを持ち、グレーのリハート(チャプターリング)とアプライドインデックスが特徴的だ。 GMTハンド先端色がスポーティな雰囲気を出している。
現在のトレンドである小型のフィールドウォッチの出で立ちになっており、ケースサイズは38.5mm、内部には双方向回転ローターを搭載したスイス製自動巻きムーヴメント、モンタキャリバーM-23を搭載。 サファイアクリスタル、ねじ込み式リューズに150m防水機能を備えている。 販売価格は1950米ドル(約22万4千円)。
Monta(モンタ)
オーシャンキング
オーシャンキングは、5色のダイアルから選べるモダンなダイバーズウォッチ。サンバーストの文字盤と、同色のセラミックベゼルを備えており、ダイバーズ ウオッチながらモダンで洗練された雰囲気に仕上げられている。
メンズウオッチとしては標準的なケースサイズの40mmで、内部には双方向回転ローターを備えたスイス製自動巻きムーヴメント、モンタキャリバーM-22を搭載。 サファイアクリスタル風防、ねじ込み式リューズにより1000フィート(約304m)防水 の機能を備えている。 販売価格は2140米ドル(24万6千円)。
Monta(モンタ)
スカイクエスト
スカイクエストは2種類の文字盤から選べるGMTウォッチだ。 ラッカー仕上げの文字盤は濡れたような印象を与え、差し色にスポーティさが演出している。
ケースサイズは40mm、内部には双方向回転ローターを備えたスイス製自動巻きムーブメント、モンタキャリバーM-23を搭載。 サファイアクリスタル風防、ねじ込み式リューズを装備し、1000フィート(304m)防水機能を備えている。 販売価格は2190米ドル(約25万1千円)。
》Monta(モンタ)
公式サイト
https://montawatch.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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