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3万円以下で最大90時間パワーリザーブ!? スウォッチの“システム51”を再考してみた【語れる名作教えます。|No.10】

》機械式時計の常識を覆す革新的ムーヴメント

 伝統と格式を継承する高級時計の世界。そのステイタス性は魅力だが、伝統はときにクリエイションを縛る制約になることも事実だ。逆に、歴史が浅い“カジュアルウオッチ”は、実験的なデザインやアプローチを実践しやすいのが特徴といえるだろう。

 スウォッチは、そうしたカジュアルウオッチの自由なクリエイションを象徴する草分け的ブランドのひとつだ。1983年にわずか51個のパーツで構成されたプラスチック製のクォーツウオッチを発表したスウォッチは、高級な印象が強かったスイス製の腕時計を身近なものに変え、さらにキース・ヘリングなど、世界的アーティストとのコラボレーションにより、デザイン性、プレミアム性という新たな価値をカジュアルウオッチに見出した。

 2013年に登場した“システム51”は、そんなスウォッチの革新性を象徴するコレクションだ。最大の特徴は、完全に自動化されたシステムで製造された機械式ムーヴメント“システム51”を搭載する点である。従来の機械式腕時計のムーヴメントには、最低でも100個以上のパーツを使用するのが一般的だが、システム51で使用されているのはわずか51個のパーツのみ。

 それらのパーツは五つの独立したモジュールを形成し、1本のスクリューを中心にひとつのユニットとして結合。最大90時間のパワーリザーブ、日差が約±10秒という優れたスペックを実現。現在は、非磁性のニヴァクロン製のヒゲゼンマイが採用され、耐衝撃性と耐久性がさらに高められている。


》今回の語れる名作モデル
SWATCH(スウォッチ)
システム51 アイロニー プチ セコンド ブラック

 プレミアムなステンレススチールと自動巻きのムーヴメントを組み合わせ、先鋭のテクノロジーとデザイン性を兼ね備えたシステム51 アイロニー。プチ セコンド ブラックは、同心円の装飾を施し、アップライトインデックスを配した外周のアワーリング、赤い秒針とメモリがアクセントを利かせるスモールセコンドなど、立体的な文字盤の造作が価格以上の高級感を醸し出す。

■Ref. SY23S400。SS(42mm径)。3気圧防水。自動巻き。2万5300円

》唯一無二のムーヴメント、システム51を搭載

 裏ブタはシースルーバック仕様にデザインされており、完全に自動化で製造された機械式ムーヴメント、システム51の動きを楽しめる。51個のパーツを中央のネジで固定するシンプル設計に加え、通常のローターではなく、外周のみが回転するペリフェラルローター風のリングローターを採用しているのも大きな特徴。テクスチャーデザインを施した受け板など、スウォッチらしい遊び心が光るムーヴメントの造形を楽しめる。


》文字盤デザインやケース素材の違いで多彩なバリエーションを展開

SWATCH(スウォッチ)
システム51 アイロニー プチ セコンド ブルー

■Ref. SY23S403。SS(42mm径)。3気圧防水。自動巻き。2万5300円


SWATCH(スウォッチ)
システム51 1983 AM51

■Ref. SO30B400。バイオ由来素材(42mm径/バイオ由来素材ベルト)。3気圧防水。自動巻き。1万8700円


【問い合わせ先】
スウォッチコール
TEL:0570-004-007
https://www.swatch.com/ja-jp/homepage

 

文◎船平卓馬(編集部)

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