エクスプローラー II に起こったデイトナ異常人気による異変とは!?|【ロレックス】通信 No.109

 ロレックスに限らず、腕時計の最もスタンダードな文字盤カラーといえば黒と白である。ではどちらの色が人気かというと黒に軍配があがる。特にスポーツ系モデルだとなおさらだ。

 その理由は、白は膨張色なのに対して黒は収縮色のために時計全体が引き締まった印象となり、なんとなく精悍でカッコよく見えるからにほかならない。これはロレックスの場合も同じ。デイトナ人気の火付け役となった旧タイプは黒文字盤が圧倒的に強く、実勢価格も黒が割高だった。

2016年のモデルチェンジによって登場した現行デイトナのRef.116500LN。デイトナ史上において最も高額なプレミアム価格となっている

 しかし、2016年にベゼルにブラックセラミックを採用した現行デイトナにモデルチェンジしてからというものその状況は一変した。黒ではなく白文字盤が圧倒的に高い支持を集めたのである。

 ポイントはブラックセラミックにあると思う。膨張色の白文字盤であってもそれを縁取りするようにベゼルや三つのインダイアルに黒が使われたため、引き締まって見える。また、これによって黒文字盤×黒ベゼルのタイプよりもデザインにメリハリが効いて、さらにカッコよく見えるのだ。

1970年頃から87年まで生産された手巻きデイトナの最終形、第3世代のRef.6263。ほかにベゼルは黒でなく通常のメタルベゼルタイプ(Ref.6265)もあった

 加えてもうひとつ、1987年頃まで製造されていたかつての手巻きデイトナにも黒ベゼルタイプがあった。いまや実勢価格が1000万円以上もする愛好家垂涎のアンティークデイトナだが、それに配色が似ているという点も少なからず背景にはあると思われる。

 そのため現行デイトナの白文字盤は黒よりも何と50万円以上も実勢価格が高いという状況だ。そして、この影響をもろに受けたのが、デイトナと同じく、ステンレススチールモデルに白と黒の2種類の文字盤がラインナップするエクスプローラー II である。

今年モデルチェンジされたため旧型となったRef.216570。実勢価格は黒が135万円、白が160万円と20万円以上も格差が生じた

 これも以前は黒文字盤が人気だったが、いまは白文字盤に人気が集まっている。そのため現行モデルに至っては10万円ほど、写真の旧型については20万円以上も実勢価格に価格差が生じてしまった。別にベゼルが黒というわけではないため、黒文字盤のほうが引き締まった印象なのは明らかなのだが、何とも不思議な現象が起こっているのだ。

 さて、そんなデイトナやエクスプローラー II も含め、ロレックスの現在の実勢価格はどうなっているのか、8月27日時点の定点観測結果(「週間ロレックス相場」より)は以下のとおりである。前月調査では6月から7月にかけて、デイトナの30万円上昇を筆頭にほかも6〜7万円ほどアップするなどかなり変動したが、今回大きな動きだったのは、ミルガウスの11万円上昇とエクスプローラー I の12万円ダウンぐらいで、全体としては驚くほどの大きな動きにはならなかったようである。

■ 主要11モデルの月間ロレックス相場(8月27日更新)
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【GMTマスターII/Ref.126710BLRO】国内定価102万800円
・実勢価格:248万円→249万円(↑) 先月より1万円アップ

【デイトナ/Ref.116500LN】 国内定価138万7100円
・実勢価格:386万円→379万円(↓) 先月より7万円ダウン

【サブマリーナーデイト/Ref.126610LN】 国内定価94万3800円
・実勢価格:175万円→175万円(→) 先月と変わらず

【サブマリーナーデイト グリーン/Ref.126610LV】 国内定価98万7800円
・実勢価格:228万円→229万円(↑) 先月より1万円アップ

【ミルガウス/Ref.116400GV】 国内定価87万6700円
・実勢価格:122万円→133万円(↑) 先月より11万円アップ

【ヨットマスターロジウム/Ref.126622】 国内定価126万5000円
・実勢価格:192万円→189万円(↓) 先月より3万円ダウン

【ディープシー/Ref.126660】 国内定価133万1000円
・実勢価格:163万円→164万円(↑) 先月より1万円アップ

【エアキング/Ref.116900】 国内定価67万6500円
・実勢価格:108万円→108万円(→) 先月と変わらず

【デイトジャスト/Ref.126200】 国内定価74万3600円
・実勢価格:93万円→97万円(↑) 先月より4万円アップ

【エクスプローラーII/Ref.226570】 国内定価87万5600円
・実勢価格:168万円→168万円(→) 先月と変わらず

【エクスプローラーI/Ref.124270】 国内定価68万7500円
・実勢価格:139万円→127万円(↓) 先月より12万円ダウン

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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