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【裏ブタにダルマと桜と銀杏を刻印!?】イギリスの田園地帯発の時計ブランド、“スコフィールド・ウォッチ・カンパニー”に注目

》無骨さと洗練された雰囲気が同居するブリティッシュウオッチ


 “Schofield Watch Company(スコフィールド・ウォッチ・カンパニー)”は、イギリス・ロンドンから約85km南下した西サセックス州の田園地帯にある日本未上陸の独立系ウォッチメーカーだ。 2011年にジャイルズ・エリスが、自分好みの時計を作るためにブランドを立ち上げた。


 エリスはイタリア製西部劇と言われる、スパゲッティ・ウエスタンが好きで、ジェシー・ジェームズが使用していた回転式拳銃・リボルバー、Schofield(スコフィールド)からブランド名を名付けた。時計作りにおいて、最新のトレンドや流行を拒み、独自な思想・発想でコレクションを構成していることから、イギリスの時計界では“破壊的な高級時計ブランド”とも呼ばれているそうだ。


 ケース、文字盤、ストラップ、バックルに至る、すべてのディテールにストーリーがあり、創業者のエリスはブランドを設立前、コーディングのスペシャリスト、プロダクトデザイナー、楽器のリペアマンとして活動し、音楽用アンプからマウンテンバイクのパーツまであらゆるものをデザインした。緻密に設計、制作されたスコフィールドの時計には、エリスの個性が表現されていると思われる。

 数量限定の生産でイングランド南東部に位置するブライトンから西に約20キロにあるアドゥー川のそばにあるリバーサイド店または、ウェブストアでの購入になる。エリス自身が100%デザインし、時計の部品製造は可能な限り地元で依頼し、組立と仕上げはスコフィールド工房で行われている。

 従来の小売店で展開する販売形態ではないため、スコフィールドはカスタマーサービスに力を注ぐサービスを展開しており、例えば時計の裏蓋に凝ったデザインのエングレービングでも対応してくれるそうだ。


 また、地球環境になるべく負荷をかけないように配慮をしているのも彼らの特徴。例えば、一部の緩衝材のほかには、時計のボックスなどに使い捨てのプラスチックを採用していない。また、時計ボックスのパッケージにはリサイクル素材を採用(価格は従来の3倍になったようだ)している。新しいパッケージは以前よりも軽量で小型になり、クールさも劣らず、輸送コストと燃料が削減されたとのこと。また、すべての記録がデジタルであるため、紙の消費量を90%削減しているようだ。

 今回はスコフィールド・ウォッチ・カンパニーの特徴的な3本を紹介。2021年後半には、さらに新作時計と壁掛時計の発売を予定しているようなので、筆者もこの新作発表を心待ちにしている。


Schofield Watch Company(スコフィールド・ウォッチ・カンパニー)
Strange Lights Not Quite Red

 この時計はチタンケースにストラップを含めた重さが85gと軽量で、遠赤のダイヤルカラーは、船や飛行機の左舷と右舷にある航海灯をイメージしている。

 裏ブタには、1950年代のUFOがイングランド南西部・プリマスにある、イノベーションとエンジニアリングを象徴するスミートン・タワーの上をホバリングしている様子が描かれている。ケースサイズは44mm、ETA2824-2 ムーヴメントを搭載し、ブラッシュドゴールドの針はリューズの内側のゴールドリングとマッチしている。 29本の限定生産で、価格は3595英ポンド(約54万3千円)。


Schofield Watch Company(スコフィールド・ウォッチ・カンパニー)
Bronze Beater B4

 創業者・エリスの日本と日本の人々、日本の伝統に対する愛情から生まれた時計で、日本人の工芸品に対する細部へのこだわりは、他のどの文化にも真似できないとエリスは考えている。 ケースは重厚な緑青防止加工を施したブロンズ製で、文字盤は江戸時代に着用されていたボロの衣装からインスピレーションを得た藍染めをカラーリングしている。

 裏ブタには、達磨と銀杏の葉と桜の花をモチーフのマンホールの蓋のようなデザインが施されている。ムーヴメントにはSTP 1-11を搭載、重さはストラップを含めて128g、ケースサイズは44mm。 この時計も29本の限定生産で価格は3280英ポンド(約49万6千円)。


Schofield Watch Company(スコフィールド・ウォッチ・カンパニー)
The Daymark

 このデザインは1864年、イングランド南西部・キングスウェアにある、石灰岩の中空八角形の塔であるデイマーク・タワーからインスピレーションを得ている。キングスウェアにあるこのタワーは、もともと船乗りがダート川の河口を見つけるために建設されたものだ。

 ベイパーブラスト加工した、ステンレススチール製のケースにストラップを含めて134g。ムーヴメントはETA2824-2を搭載し、ケースサイズは44mm。文字盤は同名のタワーからインスピレーション得た緑がかったブラックで150本の限定生産で、価格は3750ポンド(約56万8千円)。


》Schofield Watch Company(スコフィールド・ウォッチ・カンパニー)公式サイト
https://schofieldwatchcompany.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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