レビュー記事 @kikuchiのいまどきの時計考

【実機レビュー】1950年代のチューダーに存在した名称、ロイヤルが復活!

 すでにチューダーの2021年新作が発表されているが、今回は2020年新作として発表されたロイヤルを取り上げたいと思う。

 2020年といえば新型コロナウイルスの影響によって、イベントがすべて中止となったことから、チューダーもロレックスと一緒ではなく、7月1日に突然ブラックベイ フィフティーエイト ネイビーブルーを発表するというかなりイレギュラーな状況だった。

 そして今回取り上げたロイヤルは、その発売から遅れること約3カ月、9月25日に発表された。スポーツモデルではなかったこともあって、メディアで取り上げられることも少なく、知らなかったという人も意外に多いのではないか。実は1950年代に使われていた名前“ロイヤル”を復活させた新たなコレクションなのである。

 その最大の特徴は、それとなくロレックスのエンジンターンドベゼルを思わせる、オルタネイティングカット(縦縞に刻まれた部分)とポリッシュ仕上げを交互に仕上げたノッチと呼ばれるベゼルにある。しかも、ラグを持たない一体型5列ブレスが採用されており、まさに70年代のラグスポの雰囲気を感じさせる。

 なお、サイズバリエーションも豊富で、デイト付きはこの38mmのほかに34mmと28mm。加えてその上にデイデイト表示付きの41mmがあるため男女を問わず幅広い層に対応する。また、ムーヴメントに自社製ではなくETAベースを採用。定価を30万円台に抑えた点は評価できるのではないか。

<実際に着けてみました!>

 取り上げたのがローマ数字にコンビモデルということもあって、より1970年代のイメージが強まりレトロな雰囲気が楽しめる。着け心地は38mmという程よいサイズに加えて厚さも約10mmと薄い。しかもラグ一体型ブレスレットのため、手首のカーブにもなじんで着けた感じはなかなか良かった。

【商品データ】
モデル名:ロイヤル デイト 38mm
型番:M28503-0006
ケース素材:ステンレススチール×イエローゴールド
ケースサイズ:38mm径/10.7mm厚
防水性能:100m防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.T601/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約38時間)
機能:時・分・秒表示、デイト表示
国内定価:35万8600円

ロイヤル デイト 38mmの細部をさらにチェック!

【黒×金がレトロ感を強調】
外周のレイルウエイトラックおよびローマ数字、ロゴなどの黒地に金使いがレトロ感を強調。なおオールステンレスモデルはコレラがシルバー仕様となる。

【個性的かつ古典的なベゼル】
このモデルに1970年代の味わいをもたらしているのがノッチドベゼルと呼ばれるこの装飾である。どことなくロレックスのエンジンターンドモチーフを彷彿とさせる。

【流行りのラグスポスタイル】
ラグのないいわゆる最近人気のラグジュアリースポーツ風の仕上げで、1970年代に登場したロレックスのオイスタークォーツを思わせるデザインなのも魅力的だ。

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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