現存のラグジュアリーウオッチ&ジュエリーメーカーでは数少ない、家族経営を貫いているトップメゾン、“CHOPARD(ショパール)”。これまでに、ダイヤモンドがケースのなかで踊る“ハッピーダイヤモンド”や、創業者の名を冠した“L.U.C”、近年においては1980年代に人気を博した“サンモリッツ”の再解釈版である、“アルパイン イーグル”などを輩出しています。
多くのコレクションを手がけて来た同ブランドは、2021年4月に開催された“WATCHES AND WONDERS 2021”においても、七つものレディースコレクションを発表しました。
今回はすべてのコレクションを紹介しつつ、なかでも編集部が特に気になった“ハッピーダイヤモンド ジョワイアリー”、“L.U.C XP エスプリ ド フルリエ ピオニー”の二つを詳しく紹介します。
ハッピーダイヤモンド ジョワイアリー
太陽の光を反射して輝く、滝の水しぶきからインスピレーションを受けて誕生した“ムービングダイヤモンド”を使用する主力コレクション、“ハッピーダイヤモンド”。新作は、ケースのなかに収められたムービングダイヤモンドが、文字盤のなかで“かくれんぼ”をする、魅力的なデザインで登場しました。
タヒチ産のマザーオブパールが文字盤の上半分(半円)を覆う構造を採用しており、手首を動かすたびに、ムービングダイヤモンドが出たり隠れたりします。そのため、本当にかくれんぼをしているかのような、遊び心あふれるデザインが実現したのです。
ムービングダイヤモンドのほかに、ベゼルにもプロングセッティングされたダイヤモンドを配しているため、着けるだけで手首を華やかに演出してくれます。
寒色系のマザーオブパールに合わせたグレーのブラッシュドキャンバスベルトもポイント。シックな印象にまとめ上げられた、まさに大人の女性にふさわしい1本です。
■Ref.204035-5001。K18エシカルRG(38mm径)。30m防水。クォーツ。572万円
L.U.C XP エスプリ ド フルリエ ピオニー
これまでに、人気コレクションである“L.U.C XP”をベースに、マザーオブパールの細工、ゴールドエングレービング、切り絵などの芸術的な職人技を駆使して、“牡丹”を美しく演出し続けてきたショパール。
牡丹は、共同社長であるキャロライン・ショイフレ氏が好むほか、中国では“花の女王”と称される伝統的なシンボル。さらに繁栄や幸運、幸せな結婚の兆しとされているため、ウェディングブーケやギフトによく使用されています。
2021年の新作においても、スイス時計製造において最も名高い伝統的職人技のひとつに数えられる“グラン・フー・エナメル”を使用した、牡丹が描かれたモデルが発表されました。
エナメル加工は、珪土と粉末酸化物を混ぜ合わせてカラーパウダーを作り、水に溶かしてから文字盤に慎重に塗布し、薄い層を形成します。1回1回塗布するたびに文字盤を窯に入れ、高温で一定時間の焼成を行います。そういった工程を経て、職人が丸1週間をかけ1枚の文字盤を作り上げるのです。
牡丹は文字盤に留まらず、自社製キャリバーL.U.C 96.23-Lにも施されており、ゴールド製のブリッジ上に施された彫金により、花を開かせています。
18世紀に、ショパールのホームタウンであるフルリエで誕生した、フルリザンヌ彫りの彫金技法を用いて、表面の金属を削り取り、優雅な渦巻を描く立体的なフラワーモチーフを実現させています。
■Ref.131944-5005。K18エシカルRG(35mm径)。30m防水。自動巻き(Cal.L.U.C 96.23-L)。世界限定8本。1320万円(ショパールブティック限定、入荷未定)
文◎松本由紀(編集部)
【問い合わせ先】
ショパール ジャパン プレス
TEL.03-5524-8922
https://www.chopard.jp