時計専門誌POWERWatch(パワーウオッチ)で実施している“読者が選んだ、いま欲しい腕時計ランキング”を再編集。まずは、 “読者が欲しい腕時計”の6位〜10位までを紹介していこう。
》実体経済回復の実感は乏しく、堅実路線の時計選びが継続
時計雑誌が主要な情報源であった十数年前と違い、ウェブサイトやSNSなど、多様なメディアから時計の情報が発信されている現在の時計界。情報量が増えるのに比例して、時計を購入する際の選択肢もより広くなっているが、その反面で、購入すると時計を決める判断基準がよりシビアになっているのも事実だろう。
では、ちまたの時計好きは、いまどんな腕時計を欲しているのか。この特集では、時計専門誌パワーウオッチで実施している“読者が選んだ、いま欲しい腕時計BEST10”を再編集して、読者は欲しいと思っているリアルな時計を紹介していく。一気に1位から10位までを紹介すると少々長くなるためまずは6位〜10位を紹介するが、やはり、目に付いたのが7位と8位にランクインした、ロレックスの人気の高さだろう。
本誌でもこれまで何度も取り上げているが、ロレックスのスポーツモデルは軒並み国内定価を上回るプレミアム価格となっており、サブマリーナーに関しても、定番のRef.126610LNは国内定価よりも60万円前後も高い実勢価格相場で推移している。正直言って割高な印象であるが、それでも人気が衰えないのは、やはりブランドバリューの高さが大きな要因となっている。
ロレックス以外に目を向けるとオメガのスピードマスター、IWCのマーク18などがランクインしているが、こうした歴史に裏打ちされた定番が支持を得た点も、流行に左右されずに長く愛用できる、価値の高い時計を選択したいユーザーの傾向を象徴していると言えそうだ。
読者が欲しい-第10位
OMEGA(オメガ)
スピードマスタープロフェッショナル
Ref.311.30.42.30.01.005
根強い支持を集める伝説のムーンウオッチ
2014年にピンで留まっていたコマがネジ留め式に変更され、さらに強度が高められた。1969年から採用されているCal.1861に加え、意匠に関しても約50年前からほぼ変えず継承。時代を超えた名機という付加価値、NASAも認めた機能性を兼ね備えており、クロノグラフのなかでもほかを圧倒する信頼性を誇っている。国内参考定価60万5000円
裏ブタにはアイコンであるシーホースのレリーフ、オメガのロゴとともに、NASAの月面着陸ミッションで使用されたことを示す文字が刻印されている。
読者が欲しい-第9位
IWC(アイ・ダブリュー・シー)
マーク18
Ref.IW327009
パイロットウオッチを代表する名作
2016年に発表された、パイロットウォッチマーク18のマイナーチェンジモデル。前モデルとは搭載するムーヴメントに違いがあり、Cal.30110からCal.35111に変更されている。40mmと程よいサイズ感のケースに、軍用時計のDNAを継承する視認性に優れた文字盤を備え、流行に左右されずに着けられるのも人気の理由だ。国内参考定価57万2000円
軍用パイロットウオッチのDNAを継承する夜光仕様の三角マーカーを配置。外周の目盛りにも5分刻みで夜光のバーインデックスを配して視認性を高めている。
読者が欲しい-第8位
ROLEX(ロレックス)
サブマリーナーデイト(グリーンベゼル)
Ref.126610LV
黒文字盤を復活させた現行のグリーンサブ
2020年9月に発表された新型グリーンサブ。ケース、ブレスレットの仕様変更のほか、ムーヴメントが最新のCal.3235に変更。デザインバランスが向上し、スペックが高められたことに加え、5桁モデルで採用された黒文字盤が復活し、普段使いしやすいデザインとなったのも支持を集めるポイントとなっている。国内参考定価100万9800円
一見すると文字盤の変更以外、デザイン面での違いはなさそうに見えるが、ケースが1mm大きくなったことで左右のコマが若干大きくなり、ラグが細くなった。
読者が欲しい-第7位
ROLEX(ロレックス)
サブマリーナーデイト
Ref.126610LN
デザインと機能性を高めた現行モデル
70時間パワーリザーブを備えたCal.3235を搭載し、2020年の9月1日に急遽発表された新型サブマリーナーデイト。外装に関してもケースが41mmにサイズアップし、さらにコマ幅が広い新型ブレスレットを採用し、堅牢性が高められた。70時間ロングパワーリザーブの新ムーヴ採用によるスペックアップと、デザイン、機能の両面でさらに完成度が高められたことが人気の理由。国内参考定価96万5800円
新旧を比較しないとわかりにくいが、旧モデルで賛否両論あった太めのラグが改善され、やや細くシャープなフォルムに変更。見た目のバランスも良くなっている。
読者が欲しい-第6位
BREITLING(ブライトリング)
クロノマット B01 42
Ref.AB0134101G1A
初期型クロノマットのDNAを継承した新作
イタリア空軍 フレッチェ・トリコローリのために開発され、1984年に発売された初代クロノマットのデザインDNAを受け継いだ2020年の新作。アイコニックなライダータブ、独特のルーローブレスレットを復活させつつ、42mmにサイズダウン。自社製のCal.B01を搭載し、機能、デザインの両面でクオリティが高められている。国内参考定価97万9000円
初期のクロノマットに採用されていたルーローブレスレットが品質を高めつつ復活。コマが数珠のように繋がっており、腕へしなやかにフィットする。
文◎船平卓馬(編集部)