女性編集者がレディースウオッチの新作を実際に見て、感想を交えて紹介する本企画。今回はTAG HEUER(タグ・ホイヤー)から、2020年に発表されたカレラレディ、そしてメンズモデルのタグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフの2モデルに焦点を当てます。
【モデル紹介】
1860年にブランドが誕生、今年2020年が160周年の節目を迎えるタグ・ホイヤーが、旗艦コレクション“カレラ”から新作を発売しました。
“タグ・ホイヤー カレラ”の基本情報おさらい
タグ・ホイヤーといえば誰もが知る旗艦コレクションである“カレラ”が誕生したのは、いまから60年近く前のこと。ホイヤー家4代目で現在名誉会長を務めるジャック・ホイヤー氏が、1962年当時、メキシコで行われていた総延長3113kmのルートを5日間かけて走破するという過酷なレース“カレラ・パナメリカーナ”を観戦。あまりの過酷さに命を落とす参加者も多かったというこの伝説のレースに心揺さぶられたホイヤー氏がレースからインスピレーションを得て、翌1963年に発表したのが“ホイヤー カレラ”でした。
自身もレースに参戦するほどのレース好きであるジャック・ホイヤー氏。レース中に時刻を確認する際、どれほど視認性が大事かということを、身をもって知っていました。こうしてレースから着想を得て誕生したカレラは、視認性をもしっかりと重視して作られるようになったのです。
新作のレディースモデルはどんな時計なの?
今回紹介するのは、そんなカレラのDNAを受け継ぐ、視認性の高さと機能性を兼ね備えたレディースモデルです。新作は、2019年のバーゼルで発表されたモデルのバリエーション。2019年以前はもっと小振りなサイズであったカレラのレディースモデルですが、この年のモデルチェンジにより、36mm径のボーイズサイズに変更されています。
またケース径以外にも、Dバックルに変更されていたり、インデックスの線が細くなったり、ほかにもレザーが薄くなったことにより、腕なじみが良くなった点もポイントです。
【装着感は?】
ラグ部分が裏ブタよりも高い位置にあるため、ラグが手首に当たることもなく、時計が手首に当たるストレスがかなり軽減されているのがまずひとつ目の特徴です。そしてもうひとつ感じたのが、ベルトを薄く設計しているため、手首と時計のフィット感が高められていること。36mm径と大きめなサイズ感でありながら、軽い着け心地を実現しています。
またケースバックが逆台形に成形されており、手首との設置面が少ないため、見た目よりも大きな時計を着けているという感覚がしないのもポイント。
36mm径というレディースのなかでは大きめなボーイズサイズですが、サイズ感を感じさせないほど、非常に着け心地が良かったです。
【もっとメンズライクに着けたい人はこちら】
〈タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ〉
もう少し大きめのサイズをメンズライクに着用したい人には、こちらがオススメ。42mm径のメンズモデルでありながら、線の細い女性がつけても、浮いた感じにならず、腕になじんでくれます。
なんといってもクロノグラフはレディースモデルでは楽しめませんから、計器のようなかっこいいデザインを楽しみたい人はこちらを選ぶと良いでしょう。性別を超えて着用できる高い装着感を実現しています。
筆者は普段、レディースモデルと同じ36mm径や40mm径のメンズ時計を愛用しているのですが、不思議なことに、本作は付け心地も見た目も小さく感じたのです。
普段筆者が着けている時計は、フィット感があまり高くないせいか、時計が手首から浮いているように見えてしまい、時計が目立ちすぎてしまっているのですが、今回紹介した2モデルはケースの設計から装着感まで緻密に計算されているため、手首のサイズとちょうど良いバランスで着けることができました。サイズ感、デザイン、着用感の良さ、そして価格を総合して、筆者が30歳の節目に本気で欲しいと感じた腕時計でした。
文◎佐波優紀(編集部)
【問い合わせ先】
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
TEL:03-5635-7054
タグ・ホイヤー 公式サイト
https://www.tagheuer.com