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【WLN編集部 Recommend】no.004|小振りなサイズに魅力をギュッと凝縮!アンダー40mmのクロノグラフ Best3

潮目が変わった!? 多くのブランドがアンダー40mmの小振りなモデルを投入

 

 36mm前後が一般的だった時計のケースサイズが、とみに大型化したのは1990年代末頃からだったと思う。
 1世紀に入る頃には40mmを超えるモデルも珍しくなくなったが、その大きなきっかけとなったのがパネライだ。もともとイタリア軍用に精密機器を製造する存在だったパネライは、97年には本格的に民生用の腕時計を投入。40mmを軽く超える大きなケースにブラックの文字盤を合わせたそのルックスは、当時人気の高かったミリタリーテイストが強かったこともあって大ヒット。パネライの登場以降、他のブランドも追随するようにケースサイズをアップさせたスポーツモデルを続々と投入し、大型化のトレンドが一気に高まっていった。

 そのデカ厚化の潮目が変わってきたのが2010年前後。
 この頃には45mmクラスのオーバーサイズモデルも珍しくなくなっていたが、行き過ぎた大型化への反動もあってか、やや小振りの時計に再び注目が集まるようになった。
 それでも市場ではやはり40mm超えの時計に対する人気は根強かったのだが、2017年あたりからは各ブランドがはっきりと小振りモデルを基幹ラインに投入するようになってきており、サイズダウンの動きは顕著になっている。

 そもそも西洋人に比べて骨格が小さい日本人にとって、40mm超えの時計は大きすぎるという意見は以前から根強かった。
 毎日使うにはちょっと重いし、服装によっては袖口で邪魔になることすらあるだろう。大きいサイズは強い存在感をアピールすることができるが、いわゆるデカ厚時計はデザイン的にもクセが強いモデルが多いため、むしろ悪目立ちしてしまいやすいという弱点もある。
 ここ数年はメンズファッションもミニマル化が顕著で、コンサバ回帰な傾向が強まっていることもあり、キャラ立ちしすぎたデカ厚時計よりは、アンダー40mmサイズの、ベーシックデザインの時計のほうが相性がいいという点も大きいだろう。

 

小振りなケースに魅力が詰まった、アンダー40mmのクロノグラフ

 

 理知的な印象が強い小振りサイズの時計だが、今回は特にクロノグラフをピックアップしてみたい。

 クロノグラフはその機能が豊富なだけにムーヴメントもどうしても大きくなりがちで、さらには文字盤も複雑な表示を必要とするため、必然的に時計全体が大きくなる傾向が強い。
しかし、振り返ってみれば、1940年代前後のアンティークウオッチでは36~38mm程度のクロノグラフは多く存在しており、上品な佇まいを感じさせるせいか、いまでも高い人気を誇っている。

 スポーティブな雰囲気を残しつつも上品さを感じさせるサイズ感は、長く愛用したい時計にはベストだろう。クロノグラフの小型化が可能なのは、そのブランドの技術力の高さも意味しており、そうしたところは時計好きに強くアピールするポイントとなるのではないだろうか。

 


編集部:船平レコメンド
HABRING 2(ハブリング・ツー)
クロノモノ 36mm


 既存のクロノ スポーツ モノ(こちらは42mm径で、しかも自動巻き)をベースに、シェルマンがハブリング・ツーに別注をかけて製作された、日本限定のモノプッシャークロノグラフ。アンティークのクロノグラフに見られる力強い針の再現にこだわり、太いブルースチール針を採用している。
 アンティークウオッチを思わせるそのルックスもさることながら、注目はそのサイズ。自動巻きの42mmモデルは既存コレクションにもあったが、別注モデルではムーヴメントを手巻きに改め、36mmというアンティークウオッチ並みのサイズ感を実現。デザインとサイズ感も相まって、パッと見はまるでアンティークウオッチそのものである。

【SPEC】
■SS(36mm径/11mm厚)。5気圧防水。手巻き(Cal.A08-MONO)。日本限定。81万4000円(税込)

 

【船平のRecommend Point】
「小振りな36mmのサイズに加えて、プッシュボタンがひとつだけのモノプッシャークロノグラフ、渦巻き状のタキメーター、ブレゲ数字インデックスと、機械式黄金期のアンティークウオッチを彷彿とさせる凝縮感のある意匠がマニア心をくすぐります。なかでも秀逸なのがブルースチール針。肉厚で立体感を備えた造形と、深みのある色合いがたまりません。5気圧防水を備えているので、アンティークウオッチでは難しいデイリーユースにもオススメです。(船平)」

 

【問い合わせ先】
シェルマン
TEL:03-5568-1234
公式サイト
https://shellman.co.jp

 


編集部:佐藤レコメンド
AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)
ロイヤル オーク クロノグラフ


 ラグジュアリースポーツウォッチを代表する傑作、ロイヤル オークは41mmサイズが定番となっているが、こちらは若干サイズダウンしてジェンダーレス仕様を打ち出した38mmサイズ。
 8本のビスで留められたロイヤル オークの象徴であるオクタゴンケースの径を小さくするとともにグランドタペストリー模様やダイアルデザインを完全に変え、美しさの理想的なバランスを追求。文字盤外周のラインやインダイヤルに使われているブルーも絶妙な差し色になっており、ケースからブレスレットへの流れるようなラインも実に美しい。

【SPEC】
■Ref.26315ST.OO.1256ST.01。SS(38mm径/11mm厚)。50mm防水。自動巻き(Cal.2385)。ブティック限定モデル。302万5000円(税込)

 

【佐藤のRecommend Point】
「搭載ムーヴメントもケース厚も41mmモデルと同じ。見た目には41mmモデルとほぼ変わらないのに、3mmもダウンサイジングされています。見た目をほとんど変えることなく(41mmモデルとでは文字盤デザインが少し違いますが)、2サイズの選択肢を用意してくれるというユーザーファーストな姿勢に、ブランドの細やかな配慮を感じます。(佐藤)」

 

【問い合わせ先】
オーデマ ピゲ ジャパン
TEL:03-6830-0000
オーデマ ピゲ公式サイト
https://www.audemarspiguet.com/ja/

 


編集部:堀内レコメンド
ZENITH(ゼニス)
エル・プリメロ A384 リバイバル


 自動巻きクロノグラフムーヴメントの傑作、エル・プリメロの誕生50周年記念モデルで、1969年当時の37mmサイズで忠実に復刻。クラシカルなケースに当時のデザインを彷彿させるパンダダイアルを合わせており、メカ好きにかなり響きそうな仕上がりになっている。
 3連ブレスは中ゴマが開いたラダー仕様になっており、これも当時のモデルを忠実に再現したもの。レーシーなテイストを高めると同時に時計全体の軽量化にも一役買っている。
 スタイリングの美しさだけでなく、ムーヴメントも当然ながらエル・プリメロを搭載しており、その完成度は非常にハイレベルだ。

【SPEC】
■Ref.03.A384.400/21.M384。SS(37mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.400)。96万8000円(税込)

 

【堀内のRecommend Point】
「こうした復刻系は、現代のトレンドに合わせてケースがサイズアップされることも多いですが、本作ではオリジナルと同じ37mmと小振り。この絶妙なサイズ感に加えて、いわゆる逆パンダ仕様のレトロな文字盤デザインに心引かれました(堀内)」

 

【問い合わせ先】
LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス
TEL:03-3575-5861
ゼニス公式サイト
https://www.zenith-watches.com/jp_jp

 

 

構成◎佐藤杏輔(編集部)/文◎巽 英俊

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