ロレックス @kikuchiのいまどきの時計考

【ロレックス】通信 No.028|密かに噂されるミルガウス。2月14日の定点観測にみる実勢価格相場!

 新コロナウイルスの状況について連日トップで報道されているが、いまだに流行の終息時期が見通せないという状況もあって、様々なところに影響が出始めている。これは時計業界においても然り、スウォッチグループがメディア向けに3月4日〜6日にスイス・チューリッヒで開催を予定していた新作発表会を先日急遽中止した。

 スウォッチグループといえば、オメガ、ブレゲ、ブランパンなどを傘下にもつ、スイスの巨大時計グループである。筆者も現地での取材を予定していたのだが、取材のタイムテーブルが送られてきた翌日に突然の中止の知らせだったため、慌ててエアチケットとホテルをキャンセルしたほどで、いかにギリギリの判断だったかがうかがえる。

 こうなると気になるのが、4月下旬に開催されるバーゼルワールドとウオッチ&ワンダーズという2大時計見本市だ。終息時期がみえない状況がさらに続くようだと、これらの開催自体も危ぶまれるに違いない。

 実は、ロレックスの2020年の新作は、4月30日から開催するこのバーゼルワールドで発表され、同時に情報が全世界に公開されるというわけなのである。その意味でもできるだけ早く終息することを願うばかりだ。

 そんなロレックスの2020年新作については、発表時期が近づくにつれてネット上での憶測もヒートアップしている。

2007年に20年振りに復活登場を果たしたミルガウスのRef.116400GV。グリーンがかったサファイアクリスタル風防が話題となった。当初は通常の無色透明な風防を備えたモデルも2種類ラインナップしていたが、廃番となり代わりにZブルー文字盤が加わった

 先月1月12日書いた『【ロレックス】通信 No.023|定価改定で浮上した2020年新作!? 1月10日の定点観測にみる実勢価格相場!』ではエクスプローラー I をその候補として取り上げたが、ミルガウスもモデルチェンジ候補として浮上しているようだ。

 いまだに従来からの3100系自動巻きムーヴメントであるため、エクスプローラー I やサブマリーナと同様に、いずれは最新の3200系に移行することを考えると何ら不思議ではないのだが、ことミルガウスに至っては、登場当初にあった3種類のバリエーションのうち2種類がすでに廃番となっていることを踏まえるとモデルチェンジではなく、次は廃番ということもゼロではないのかもしれない。

Watch LIFE NEWSの「ROLEX WEEKLY DATA」より

 現在は黒文字盤と2014年に加わったZブルー文字盤の2種類を展開。国内定価は1月1日に値上がりしたため87万6700円となった。2018年までは国内定価よりも安く流通していたお得なモデルだったが、19年になって徐々に値上がりをはじめ、6月には約100万円まで上昇してしまった。

 しかし、グラフを見るとわかるが、その後わずか2カ月間で94万円まで一気に値下がりし、それからの約半年間というもの93〜94万円で安定的に推移している。ほかのスポーツ系モデルが9月の底値以降に軒並み値を戻しているなかで唯一である。

 その意味では今後はどうあれ、もしミルガウスの購入を考えているのならば、早めのほうがよさそうな気がするのだが、いかがだろうか。

 さて、そのほかのモデルの実勢価格の動きだが、2月15日直近のデータを見ると全体的に上昇している。特にデイトナやサブマリーナなどの主要モデルのなかでも特に人気の高い機種が、実勢価格を8万円もこの1カ月間で上がっているのが気になるところだ。

■ 主要11モデルの週間ロレックス相場(2月15日更新)
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【GMTマスターII/Ref.126710BLRO】
・実勢価格:198万円→207万円(↑) 先月より9万円アップ

【デイトナ/Ref.116500LN】
・実勢価格:259万円→268万円(↑) 先月より9万円アップ

【サブマリーナデイト/Ref.116610LN】
・実勢価格:128万円→136万円(↑) 先月より8万円アップ

【サブマリーナデイト グリーン/Ref.116610LV】
・実勢価格:172万円→185万円(↑) 先月より13万円アップ

【ミルガウス/Ref.116400GV
・実勢価格:93万円→93万円(→) 先月と変わらず

【ヨットマスターロジウム/Ref.126622】
・実勢価格:149万円→148万円(↓) 先月より1万円ダウン

【ディープシー/Ref.126660】
・実勢価格:146万円→154万円(↑) 先月より8万円アップ

【エアキング/Ref.116900】
・実勢価格:73万円→74万円(↑) 先月より1万円アップ

【デイトジャスト/Ref.126200】
・実勢価格:70万円→69万円(↓) 先月より1万円ダウン

【エクスプローラーII/Ref.216570】
・実勢価格:109万円→112万円(↑) 先月より3万円アップ

【エクスプローラーI/Ref.214270】
・実勢価格:87万円→87万円(→) 先月と変わらず

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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