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【WLN女子部発】艶やかなタヒチアン グレー MOPが素敵なショーメの新作、見てきました

 女性編集者がレディースウオッチの新作を実際に見て、感想を交えて紹介する本企画。今回はCHAUMET(ショーメ)の人気コレクション、リアンの新作から、“リアン ルミエール”のタヒチアン グレー マザーオブパール(以下MOP)モデルを紹介する。

【モデル紹介】

 ショーメは、今年240年を迎えるフランス発の老舗ブランド。なんと創業者はあのナポレオン1世の皇后ジョゼフィーヌ御用達のジュエラーであったとのことで、改めてその歴史の長さに驚かされる。

 ジュエラーとして長い歴史をもつショーメだが、実は時計製造の歴史も1811年からと古く、パリのブランドらしい、気品のあるデザインの時計を生み出している。

 そんなショーメの時計シリーズのなかでも私が心引かれたのが、クロスをモチーフにした優美なデザインで人気の“リアン”コレクションの“リアン ルミエール”。コレクション名の“リアン”はフランス語で“絆”を意味し、愛情や家族の繋がりなど、大切な人を思う気持ちを“クロスモチーフ”で表現したなんとも素敵な由来をもつコレクションだ。
 クロスモチーフが施されているのはケース横や尾錠だが、ケースを取り巻くように細いラグが配された美しいケースデザインも、“絆”を体現化しているようで素敵だと思った。

 “リアン ルミエール”はこれまで素材やカラーを含め豊富なバリエーションを展開してきた。特にパールはショーメが長年大切にしてきた素材であるということで、今回注目したのが2019年の新作、タヒチアン グレー MOPのモデル。大人の女性にふさわしい、タヒチ産の黒蝶貝の上品な輝きが楽しめるモデルだ。

 取材当日は実物を見ることはできなかったのだが、後日ブティックで実物を見せてもらったので、その際の感想も含めて紹介していく。

・キーワードは“皇后ジョゼフィーヌ”

 まず文字盤から説明していこうと思う。文字盤を見てみると、中央のまるで時計のシルエットのような部分はパリのヴァンドーム広場をイメージしており、1時から5時、7時11時の扇状の部分でマザーオブパールの輝き方が異なっている。これは、サテン仕上げを施した円形のタヒチアン グレー MOPのプレートの上に、1時から5時、7時11時位置に扇状のタヒチアン グレー MOPのプレートを重ねてデザインされたもの。

 実際に腕に乗せて揺らしてみると、特に扇状の部分がまるで水面がゆらゆらと揺れるように輝いた。段差をつけることで、MOPの素材の美しさをより際立たせており、美しい素材を生かした世界的ジュエラーのデザイン性の高さを感じる。

 先にも触れたがパールは、ショーメが長年大事にしている素材だという。というのも、皇后ジョゼフィーヌが生まれたのはマルティニーク島という島。海に親しんで育ったジョゼフィーヌにあやかって、ブランド創業よりパールという素材を大切にしてきた。文字盤のMOPがまるで水面のように輝くさまも、もしかするとジョゼフィーヌにインスピレーションを得ているのかもしれない。

 MOP文字盤のデザインもさすがだが、ショーメの技が光るのはやはりダイヤモンドのセッティング。ベゼルには全部で58石ものダイヤモンドがぎっしりとグレイン セッティングとクローズド セッティングにより敷き詰められている。実際に見て驚いたのが、このベゼルを触ってみるとまるでダイヤモンドがひと続きになっているかのように非常に滑らかであること。ダイヤモンドを留めるツメもなく、またひと粒一粒のダイヤモンドの高さを揃える加工は、かなり高度な技術を要するのだという。実物を見た時から綺麗だとは思っていたが、その裏には200年を超えて受け継がれてきたショーメの技術が込められているのだと思うと、ついつい時計に見入ってしまった。

 またインデックスにも6時位置にクローズド セッティング、1時から5時、7時11時にダイヤモンドが連なるようにグレイン セッティングで配置されている。ベゼルを含め、これらのダイヤモンドはひとつとして、ツメを使って留めているものはない。だからこそ、繊細で美しい輝きが実現するのだろう。

 また12時にのみアラビア数字を配置し、機能性とジュエリーのような美しさが絶妙なバランスで設計されているのもポイント。ちなみにこの“12”とは、ショーメの本社が構えるパリ・ヴァンドーム広場12番地に意味をこめたものだそうだ。

【装着感は?】

 着用感はとても軽く、長時間着用しているうちに時計を着けているのが気にならなくなりそうなほど、着け心地も良かった。細く、緩やかに曲がったラグにより、腕への負担がかなり軽減されているのだと感じた。

※写真はホワイトMOPモデル

【推しのポイント】

・240年間受け継がれてきたセッティング技術が楽しめる

 本モデルに限らず、使用する宝石はすべて職人の手仕事により、ひとつ一つセッティングをしている。
今回紹介した“リアン ルミエール”は、ベゼルのパヴェセッティングなど、ショーメの高度な宝飾技術が盛り込まれているのが特徴だ。

 そうした制作を可能とする秘密は、代々家柄でなく地道に修行を積んだアトリエの職人のなかからアトリエマスターが引き継がれていること。なんだか当たり前のようにも感じるが、戦争や革命の影響を受けることの多かった歴史的背景を考えると、アトリエが引き継がれるのは実はかなり難しい。

 現在のアトリエマスターは13代目。今回紹介したモデルは、ショーメが誇る宝飾技術を駆使しているのはもちろん、スマートで甘すぎないシルエットには、240年以上にわたりジュエリーを作り続けてきたブランドならではの感覚が生かされている。

 タヒチアン グレー MOPは少々大人の女性向けにも感じるかもしれないが、20代の筆者が着けても十分様になった。年代を問わず腕元を上品に彩ってくれる本モデルは、大人の女性にも、若い世代が一生モノとしてもつ時計としてもオススメだ。

*スペック*

Ref. W83883-001。SS(27mm径)。30m防水。クォーツ。102万4100円

文◎佐波優紀(編集部)

【問い合わせ先】

ショーメ
TEL:03-5635-7057

ショーメ 公式サイト
https://www.chaumet.com/jp

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