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【WLN女子部発】GUCCI(グッチ)注目の新コレクション“グリップ”を実際に見てきました

 女性編集者がレディースウオッチの新作を実際に見て、感想を交えて紹介する本企画。今回はGUCCI(グッチ)が2019年に発表した注目の新コレクション“GRIP(グリップ)”を紹介する。

【モデル紹介】

 今回紹介するGRIP(グリップ)は、グッチが2019年のバーゼルワールドにて発表した新コレクション。その個性的でマニッシュなデザインに心引かれ、ぜひ一度見てみたいと思っていたところ、念願かなってモデルを見る機会を得たので、紹介していこうと思う。

 モデルの説明をする前に、まずバリエーションについて説明したい。ケースは35mmと38mmの展開で、いずれものカラーはシルバーとゴールドの2色を展開。さらにそれぞれのカラーに2種類のデザインがあり、文字盤を覆うケースにヘアライン仕上げが施され、ブレスまでインターロッキングGのロゴがあしらわれたものと、プレーンなケースにグッチロゴがあしらわれ、アリゲーターまたはカーフのストラップが組み合わされたものの全部で八つのデザインが用意されている。
 今回は、なかでも特に人気が高いインターロッキングGのマークが施された、35mmサイズのゴールドPVDモデルを取り上げる。

右下の女性が着用しているのが35mmサイズ

 知らない人はほとんどいないであろうグッチ。ファッションブランドとしてのイメージが強いが、実は1972年から時計製造に着手しており、主力コレクションの“G-Timeless”を中心に、これまでファッションに敏感な人々から愛されてきた。

 かなりユニークなデザインである今回の新作は、名だたるファッションブランドだからこそ完成したといえるだろう。

 今回の新作は、1970年代後半のスケートボードの世界にインスピレーションを得て作られたもの。
 デザインを手がけたクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ氏は、グッチにストリートスタイルを取り込んだパイオニア的存在だ。これまでもボンバーやスニーカー、トラックスーツなどを発表し、ハイブランドのラグジュアリー感とストリートファッションを組み合わせた“ラグジュアリーストリート”の火付け役ともなった。

 グッチとスケートボード、一見両者には何の繋がりがなさそうにも思えるが、彼のこれまでの活躍を踏まえると、両者のコラボレーションは何ら不思議なことではない。一度見たら忘れられないような本モデルのユニークなデザインは、ファッションデザイナーだからこそ生まれたデザインだといえるだろう。

 スケートボードに着想を得たモデルであることは、コレクション名“グリップ”にも表れている。その由来は、スケートボードのボード部分に貼り付けるグリップテープ。ボードの板に滑り止めのために貼り付ける、ざらつきのあるテープのことで、トリックと呼ばれる技を繰り出すためには欠かせないアイテムだ。そんな足とボードをより接着しやすくするグリップテープのように、しっかりと手首にフィットする時計を目指して作られた。

 ブレスを見てみると、ひとコマ一コマの幅を小さくすることで可動域が広がり、より滑らかに動くようになるため、手首にフィットするのだと感じた。

 またバックルは両開き式が採用されており、着用するとバックルが見えないようデザインされているため、見た目がブレスレットのようだった。さすが世界的ファッションブランド、見た目がより綺麗に見える工夫は徹底されていると感じた。

 ブレスのデザインも素敵だが、1番の特徴といえばこの個性的なフェイスだろう。採用されたのは、数字が表記されたディスクを回転させて、ケースの小窓から時刻を表示するデジタルのようなアナログ式時計、“デジタルアナログ”デザイン。1番上の小窓には時間、真ん中が分、そして1番下は日付けを表示しており、時間と分は、ディスクが右回転することで時刻が進んでいく。

 フェイスだけでなくもうひとつの特徴的な意匠がある。それはケースからブレスに刻印されている、二つの“G”が重なり合うようなおなじみのロゴだ。気になって質問してみると、これはブランド創設者、グッチオ・グッチのイニシャルからデザインされたロゴとのこと。“インターロッキンG”と呼ばれる、グッチのアイコニックなモチーフであり、これまでもウオッチのほか、バッグやウェア、ジュエリーなど数多くのコレクションに採用されてきた。こうしたグッチならではの意匠が楽しめるのも、素敵なポイントだと思った。

【装着感は?】

 フロント部分のデザインがシャープな印象だったので、実際につけてみるまでは着け心地はどうなのだろう、と思っていた。しかし外側はソリッド感を際立たせてシャープな印象に仕上げられているものの、内側は適度に角を落として肌に触れる部分にストレスを与えないようにしているため、装着感はとても良かった。またコマの幅が狭いためか、モデル名の通り、ひとコマ一コマが手首の形状に沿うようにしっかりとフィットしてくれた。

 いずれのデザインも35mm、38mmと2サイズで展開しており、筆者は35mmを着用したのだが、女性が着けても大きすぎず小さすぎず、個性的なデザインを強調する存在感のあるサイズであった。

【推しのポイント】

・1970年代の流行デザインを取り入れたユニセックスモデル

 数字が表記されたディスクを回転させて、ケースの小窓から時刻を表示するデジタルのようなアナログ式時計、“デジタルアナログ”デザイン。1970年代に流行したデザインで、そのレトロな意匠は平成生まれの筆者からするとむしろ目新しさすら感じる。

 “WLN女子部”の企画にて紹介した本モデルだが、実はレディースやメンズといったくくりのない、ユニセックスモデルである。男女の垣根なく楽しめるスケートボードのように、マニッシュなデザインとサイズ感が魅力の本モデル。オフの日など気軽に着けて楽しめそうで、個人的にも欲しくなるほど気に入った。

*スペック*

Ref.584272 I8600 8740。SS(35×35mmサイズ)。3気圧防水。クォーツ。22万円

文◎佐波優紀(編集部)

【問い合わせ先】

グッチ ジャパン クライアントサービス
TEL:0120-99-2177
グッチ 公式サイト
www.gucci.com

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