女性編集者・佐波が、女性の視点で興味を持った時計を、テーマごとに紹介。今回は、木をワンポイントに使った時計を4本選んでみた。
最近、木造建築が見直されているのをご存知だろうか。
これまで可燃性の高さを理由に嫌煙されてきた木造建築だったが、木材ならではの温もりを求める人が世界的に増えており、ヨーロッパを中心に木造の高層建築が建設されている。
日本においても住友林業が70階建ての木造高層ビルの構想を明らかにするなど、木造建築への関心が高まりつつあるのだ。
時計の世界においても、木を使った時計が増えている。これまで時計の素材、といえばステンレススチールなどの金属や樹脂、最近ではブロンズなどが主要だったが、ケースや文字盤など時計の一部に木を使用したものや、ケースからブレスまですべて木でできているものまで展開されている。
そのなかで今回は、文字盤、またはケースなど、ワンポイントとして木材が採用されたものを選んでみた。見どころは異素材のコンビネーションデザイン。ケースからブレスまで、すべて木を用いたものと比べて、異素材を組み合わせることで逆に木の質感が引き立っているところが面白い。
時計のどの部分に木材を採用して、どんな素材と組み合わせているのか、という部分に注目して、楽しんでもらえたらうれしい。
〈ケースに木を採用〉
【MAM(マム)】
!注目ポイント:ミニマルデザインの竹製時計
明るい木の色味が引き立つ、余計な装飾を一切取り払ったシンプルなデザイン。ケースに用いられた竹は、裏ブタまで覆うように加工されており、まるで木の器の中に時計を入れ込んだような形状をしている。
ベルトに使われている素材ベジタブルタンニンレザーは、オーガニックなクロムフリーのなめし革が使われているため、ケースの竹はもちろん、全体的に環境に優しい自然由来の素材を使っている。
竹(39㎜径)。クォーツ。1万8360円
/問.H°M'S" WatchStore 表参道(https://www.hms-watchstore.com)
【KERBHOLZ(カーブホルツ)】
FRANZ
Ref.MFRA3977
!注目ポイント:光沢のあるウォルナットケースを採用
ケースには、衝撃に強いウォルナット材を使用したモデル。細かい木目の、独特の赤みがかったウォルナットの特徴を生かしつつ、アンティーク家具を思わせる光沢のある質感が特徴的だ。
文字盤は白を基調とした色合いで、ケース用いられた木の質感を引き立てている。また丸で統一したインダイアルとデイト表示をアシンメトリーに配し、個性的かつシンプルなデザインに仕上げられている。
なおクロノグラフについては、10時位置のインダイアルで60分、センター針では60秒を計測する。
ウォルナット(45㎜径)。日常生活防水。クォーツ。2万4840円
/問.三栄コーポレーション(https://kerbholz-jp.com)
〈文字盤に木を採用〉
【LAPS(ラプス)】
ラプス Ancient Oak
Ref.LP-M30-AO
!注目ポイント:文字盤全体に木を使用! 1本ずつ異なる木目が楽しめる1本
文字盤のインデックスを取り払ったことにより、落ち着いた色味の木目をより楽しむことができるモデル。
また木材を採用する遊び心を取り入れながらも、ゴールドでまとめた3つの針、そしてベージュのベルトと茶系のトーンでまとめた組み合わせが、落ち着いた雰囲気を演出している。小振りのケースデザインなので、男女ともに着用できるデザインだ。
SS(39×30㎜サイズ)。3気圧防水。クォーツ。2万4624円
/問.H°M'S" WatchStore 表参道(https://www.hms-watchstore.com)
【ORIGINAL GRAIN(オリジナルグレイン)】
The Alterra Chronograph - The KOA
STONEWASHED Collection
!注目ポイント:精霊が宿る木“KOA”を用いたコレクション
100%ナチュラルウッドとステンレススチールを用いた、アメリカの時計ブランド“オリジナルグレイン”。今回は、なかでもハワイに敬意を表し、ナチュラルハワイアンコアウッドを使用したモデルを紹介したい。
ケースに用いられている“コア”は、精霊が宿るとされている木で、ハワイ語で勇気や勇者を意味する。
文字盤の木を2色にカラーリングしたことにより、木目を2つのパターンで楽しむことができる。ブレスにはストーンウォッシュ加工されたサージカルステンレスを採用しており、エイジングした質感と独特の鈍い色合いが木材とマッチしている。
ストーンウォッシュドシルバー316LSS(44㎜径)。10気圧防水。クォーツ。6万8040円
/問.AGD(https://originalgrainjapan.com)
文◎佐波優紀(編集部)