当時注目されたものの現在はディスコン(生産打ち切り)となっている2000年前後の時計にフォーカスするこの企画。その第1回はIWCとプラダとのコラボレーションモデル、GSTクロノクロノグラフ オートマティック for PRADAを紹介した。
そして2回目の今回は、パネライとフェラーリとのコラボモデルを取り上げる。その名も“フェラーリ・エンジニアド・バイ・オフィチーネ・パネライ”だ。
当時デカ厚ブームで勢いに乗るパネライとクルマの頂上ブランドとして君臨するフェラーリという2大イタリアブランドのコラボレーションということもあって、スタートした2006年当時はかなり注目を浴びたことは言うまでもない。
レギュラーコレクションの中でも特に目を引いたのが文字盤カラーにイエローを使ったこのRef.FER00011だった
このコレクションが出るまではフェラーリといえばジラール・ペルゴの印象が強かったが、パネライの場合は、文字盤上にパネライの文字は一切なく、フェラーリの象徴である跳ね馬とFerrariのロゴタイプだけというものだった。そして名前も“フェラーリ・エンジニアド・バイ・オフィチーネ・パネライ”、つまり独立したブランドとして設立されている点が大きな違いである。
ケースもルミノールマリーナなどと共用しているわけではない。パネライに象徴されるリューズプロテクターを廃し、フォルムもクッションケースをベースにしつつもフェラーリ専用に作られていた。
コレクションには2種類が用意されており、ひとつは今回取り上げた跳ね馬とFerrariのロゴタイプをあしらったグラントゥーリズモコレクション。もうひとつはワークス・レーシングチームのスクデリアに象徴される、イタリア国旗と跳ね馬の黄色いエンブレムを12時位置に配したスクデリアコレクションである。
跳ね馬のモチーフだけというのはよくあるが、Ferrariの欧文ロゴタイプやスクデリアの黄色いエンブレムはそれだけでもグッと惹かれる人は少なくないのかもしれない。
ラインナップは各コレクションともに、3針、GMT、クロノグラフ、そしてラトラパンテ(スプリットセコンド)クロノグラフの4タイプで2010年頃まで展開されたようである。
ちなみに写真のクロノグラフタイプのUSED品で現在50万円前後の実勢価格で流通している。
【写真】 Ref.FER00011の細部とスクデリアコレクションはこちら!
フェラーリ・エンジニアド・バイ・オフィチーネ・パネライ
グラントゥーリズモコレクション
■商品データ
型番:Ref.FER00011
素材:ステンレススチールケース
ケース径:45mm
防水性:10気圧防水
駆動方式:自動巻き
その他:クロノグラフ(30分積算計)、スモールセコンド(9時位置)
当時の税抜き参考定価85万円(2009年当時)